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2018年7月5日

AndroidとMPEG2-TSその1

その1その2その3その4

Android 8がMPEG2-TSのPSI(Program Specific Information)をどのように処理しているのか、気になったので調べてみました。調査に使ったコードはAOSPのタグandroid-8.1.0_r33です。

PSIのことをセクションと呼ぶ人もいますね。MPEG2 Systemの規格書ISO13818-1/ITU-T H.222.0によれば、PSIはxxx Tableという名前(PATならProgram Association Table)で、テーブルは1つないし、複数のセクション(xxx_sectionという名前で定義されている、PATならprogram_association_section)から構成されるからだと思います。

さておきTSを処理しているところは、下記のようになっています。

Extractor TS受付部分

//frameworks/av/media/libstagefright/mpeg2ts/MPEG2TSExtractor.cpp

status_t MPEG2TSExtractor::feedMore(bool isInit) {
    Mutex::Autolock autoLock(mLock);

    uint8_t packet[kTSPacketSize];
    ssize_t n = mDataSource->readAt(mOffset, packet, kTSPacketSize);

    if (n < (ssize_t)kTSPacketSize) {
        if (n >= 0) {
            mParser->signalEOS(ERROR_END_OF_STREAM);
        }
        return (n < 0) ? (status_t)n : ERROR_END_OF_STREAM;
    }

    ATSParser::SyncEvent event(mOffset);
    mOffset += n;
    status_t err = mParser->feedTSPacket(packet, kTSPacketSize, &event); //★★★★
    if (event.hasReturnedData()) {
        if (isInit) {
            mLastSyncEvent = event;
        } else {
            addSyncPoint_l(event);
        }
    }
    return err;
}

ここで出てくるmParserはATSParserのポインタなので、ATSParserの実装を見てみます。

TS受付部分

//frameworks/av/media/libstagefright/mpeg2ts/ATSParser.cpp

status_t ATSParser::feedTSPacket(const void *data, size_t size,
        SyncEvent *event) {
    if (size != kTSPacketSize) {
        ALOGE("Wrong TS packet size");
        return BAD_VALUE;
    }

    ABitReader br((const uint8_t *)data, kTSPacketSize);
    return parseTS(&br, event); //★★★★
}

status_t ATSParser::parseTS(ABitReader *br, SyncEvent *event) {
    ALOGV("---");
//...
    status_t err = OK;

    unsigned random_access_indicator = 0;
    if (adaptation_field_control == 2 || adaptation_field_control == 3) {
        err = parseAdaptationField(br, PID, &random_access_indicator);
    }
    if (err == OK) {
        if (adaptation_field_control == 1 || adaptation_field_control == 3) {
            err = parsePID(br, PID, continuity_counter,
                    payload_unit_start_indicator,
                    transport_scrambling_control,
                    random_access_indicator,
                    event); //★★★★
        }
    }
//...

status_t ATSParser::parsePID(
        ABitReader *br, unsigned PID,
        unsigned continuity_counter,
        unsigned payload_unit_start_indicator,
        unsigned transport_scrambling_control,
        unsigned random_access_indicator,
        SyncEvent *event) {
    ssize_t sectionIndex = mPSISections.indexOfKey(PID);
//...
    if (sectionIndex >= 0) { //★★★★PATかPMTのPIDならこの条件が成り立つ
        sp<PSISection> section = mPSISections.valueAt(sectionIndex);

ここで出てくるmPSISectionはunsignedをキー、sp<PSISection> を値とするKeyedVectorです。キー0にPATを持っていて、それ以外のキーはPMTのPID(PATが一覧を持っている)です。PMTのPIDはPATを受信したときにATSParser::parseProgramAssociationTable() が追加するようです。

PAT/PMT解析

//frameworks/av/media/libstagefright/mpeg2ts/ATSParser.cpp

status_t ATSParser::parsePID(
        ABitReader *br, unsigned PID,
        unsigned continuity_counter,
        unsigned payload_unit_start_indicator,
        unsigned transport_scrambling_control,
        unsigned random_access_indicator,
        SyncEvent *event) {
    ssize_t sectionIndex = mPSISections.indexOfKey(PID);
//...
    if (sectionIndex >= 0) { //★★★★PATかPMTのPIDならこの条件が成り立つ
        sp<PSISection> section = mPSISections.valueAt(sectionIndex);
//...
        if (PID == 0) {
            parseProgramAssociationTable(&sectionBits); //★★★★PID 0ならPATの解析
        } else {
            bool handled = false;
            for (size_t i = 0; i < mPrograms.size(); ++i) { //★★★★ それ以外はPMTかどうか見る
                status_t err;
                if (!mPrograms.editItemAt(i)->parsePSISection( //★★★★PMTか?
                            PID, &sectionBits, &err)) {
                    continue;
                }
//...

bool ATSParser::Program::parsePSISection(
        unsigned pid, ABitReader *br, status_t *err) {
    *err = OK;

    if (pid != mProgramMapPID) {
        return false;
    }

    *err = parseProgramMap(br); //★★★★PMTだったのでPMTの解析

    return true;
}

status_t ATSParser::Program::parseProgramMap(ABitReader *br) {
    unsigned table_id = br->getBits(8);
    ALOGV("  table_id = %u", table_id);
//...
    // descriptors
    CADescriptor programCA;
    bool hasProgramCA = findCADescriptor(br, program_info_length, &programCA); //★★★★PMTの持っているdescriptorを見ている
    if (hasProgramCA && !mParser->mCasManager->addProgram(
            mProgramNumber, programCA)) { //★★★★CA descriptorの指すPIDつまりECMのPIDを追加
        return ERROR_MALFORMED;
    }
//...
    size_t infoBytesRemaining = section_length - 9 - program_info_length - 4;

    while (infoBytesRemaining >= 5) { //★★★★ エレメンタリストリームのPIDと一緒に付いているdescriptorを見ている
//...
        CADescriptor streamCA;
        bool hasStreamCA = findCADescriptor(br, ES_info_length, &streamCA);
        if (hasStreamCA && !mParser->mCasManager->addStream(
                mProgramNumber, elementaryPID, streamCA)) { //★★★★CA descriptorの指すPIDつまりECMのPIDを追加
            return ERROR_MALFORMED;
        }
//...
    }
//...
    for (size_t i = 0; i < infos.size(); ++i) {
        StreamInfo &info = infos.editItemAt(i);

        if (mParser->mCasManager->isCAPid(info.mPID)) { //★★★★CA descriptorに記載のあったストリーム
            // skip CA streams (EMM/ECM)
            continue;
        }
        ssize_t index = mStreams.indexOfKey(info.mPID);

        if (index < 0) {
            sp<Stream> stream = new Stream(
                    this, info.mPID, info.mType, PCR_PID, info.mCASystemId);

            if (mSampleAesKeyItem != NULL) {
                stream->signalNewSampleAesKey(mSampleAesKeyItem);
            }

            isAddingScrambledStream |= info.mCASystemId >= 0; //★★★★CA descriptorに記載が無いのにスクランブルされている??
            mStreams.add(info.mPID, stream);
        }
    }

ざっくり言うと、スクランブルの掛かったストリームはmParser->mCasManagerに任せ、スクランブルの掛かっていないストリームはmStreamsに任せるようです。

CA descriptorに載っていないのにスクランブルの掛かった変なストリームがあると警告が出るようになっています。

編集者:すずき(2018/07/17 22:45)

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2018年7月4日

デスクランブラのテスト

先日、作った(2018年6月1日の日記参照)ISDBというかARIBのデスクランブラの続きです。

DVB APIで制御可能なチューナー(私はPT2で確認しています)を使っている方であれば、下記のようにチューニング(コードは GitHubにあります)できます。チューニングに成功して放送が受信されると、/dev/dvb/adapter0/dvr0からスクランブルの掛かったMPEG2-TSが出力されます。

PT2のチューニングのテスト
例: BSプレミアム(衛星はアダプタ0か2、地デジはアダプタ1か3を使います)

$ ./sample_dvb 0 S BS 3 0x4031
...

ごちゃごちゃ出るのが邪魔くさければ、

$ ./sample_dvb 0 S BS 3 0x4031 > /dev/null

スマートカードリーダーをPCに接続し、B-CASカードをリーダーに挿入した上で、下記のようにデスクランブル(コードは GitHubにあります)できます。デスクランブルしたMPEG2-TSはUDPで送るか、ファイルに保存できます。

デスクランブルのテスト
例: 自分自身にUDPで送る

$ ./arib_descramble /dev/dvb/adapter0/dvr0 localhost 1234
...

VLCを起動し、udp://@:1234を再生すると、受信中の放送が映るはずです。

改良

自身の規格理解のためもあって、かなり手抜き実装していて、異常に重いため、いくつか改良してみました。まずプロファイラで見てみると、MULTI2復号と、どこかにある無駄なコピーに、時間がかかっているようです。

MULTI2復号の高速化にはSSE2を使ってみました。MULTI2の復号は8バイトずつですが、SSE2を活用するには32バイトの方が都合が良いです。ですので4単位まとめて(4 x 8バイト = 32バイト = 128bit = SSE2のレジスタ幅)処理して、残った32バイトに満たないデータは従来どおり8バイトずつ処理します。

残念ながら、結果から言うとあまり最適化が効きませんでした。SIMDで高速化できないロード/ストアの割合が高いのか、計算が占める割合が低いのか、いまいちわからなかったのですが、あまり高速化できませんでした。CPU利用率でいうと12% が11% になるか、ならないか…程度です。

無駄なコピーは2箇所見つけたのでガッツリ消しました。これは効果があったようで、CPU利用率でいうと11% が10% くらいまで削減できました。

無駄なコピーはもう1つありましたが、単純に消すわけにいかなくてやや難しそうだったので、また今度にします。

ARMでも実行してみた

PCだと、CPU利用率10% 程度だったので、最近のマルチコアCPUなら割と余裕の負荷です。ではショボいCPUで実行するとどうなるか、試してみました。

手持ちのRaspberry Pi 3(ARM Cortex A53 x 4/1.4GHz)で実行してみたところ、CPU利用率25〜27% 程度でした。動かないかもしれないと思っていたので、正直意外でした。かなり健闘していると思います。

ARMにはNEONというSIMD命令がありますが、NEONを使った復号の高速化にはまだ手を出していません。今度やってみますが、SSE2の結果を見た限りでは、絶大な効果は見込めないでしょう。きっと。

編集者:すずき(2018/07/05 00:44)

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  • すずきさん(2018/07/11 21:26)
    NEON にも対応してみましたが、やはり MULTI2 の復号はボトルネックではないらしく、CPU 負荷はほとんど変わりませんでした……。
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2018年7月2日

libtoolの謎のエラー

Raspberry Pi 3を持っているのですが、あまり速くない(当たり前ですけど)こともあり、ほとんどコンパイルには使っていませんでした。今日、久しぶりにコードのビルドに使ってみたら、変な症状にハマりました。

autoreconfは正常終了?
$ autoconf --version
autoconf (GNU Autoconf) 2.69
...

$ automake --version
automake (GNU automake) 1.15
...

$  autoreconf -fi
aclocal: warning: couldn't open directory 'm4': No such file or directory
configure.ac:23: installing 'conf/compile'
configure.ac:16: installing 'conf/install-sh'
configure.ac:16: installing 'conf/missing'
src/Makefile.am: installing 'conf/depcomp'

更地からのビルドなのでautoreconf -fiを実行しています。この時点では特にエラーも出ずに終わったように見えます。

configureがエラーで落ちる
$ ./configure
checking for a BSD-compatible install... /usr/bin/install -c
checking whether build environment is sane... yes
checking for a thread-safe mkdir -p... /bin/mkdir -p
checking for gawk... gawk
checking whether make sets $(MAKE)... yes
checking whether make supports nested variables... yes
checking whether make supports nested variables... (cached) yes
./configure: line 2505: syntax error near unexpected token `ac_ext=c'
./configure: line 2505: `ac_ext=c'

しかしconfigureが謎のエラーで終了してしまいます。しかもconfig.logにエラーの内容が記録されておらず、怪しいです。

しばしconfigure.acをいじってみてわかったことは、以下の条件を満たしていると、このエラーが発生するようです。

  • configure.acにLT_INIT() を記述、つまりlibtoolを使うように記述する
  • システムにlibtoolがインストールされていない
  • 更地(autoconf, automake関連のファイルが全く無い状態)からビルドする

解決策はlibtoolをインストールするか、libtoolを使っていないならconfigure.acからLT_INIT() を削除しても良いです。

この辺の仕組みは詳しくありませんが、libtoolが無いなら無いと言ってくれれば、もう少しわかりやすいのにな…と思います。

編集者:すずき(2018/07/04 23:12)

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2018年6月29日

Androidチューナー周りの調査メモ

Android 8のチューナー周りについて、家でも少し調べていたので、わかったことのメモを貼っておきます。環境は下記の通りです。

  • タグ: android-8.1.0_r33
  • ディレクトリ: android/packages/apps/TV

チューナーの動作は大きく分けると、チャンネルスキャン、視聴の2つです。

チャンネルスキャン

チャンネルスキャンは全てのチャンネルに対してチューニングを行って、受信できるかどうか試す動作を指します。Android 8の場合、フレームワーク内部にチャンネルのリストを持っていて、リストの先頭から試す仕組みになっているようです。

コードを見た感じ、処理は下記のように進むようです。

チャンネルスキャン画面の動作
// @ src/com/android/tv/tuner/setup/TunerSetupActivity.java
TunerSetupActivity::executeAction(String category, int actionId, Bundle params)
    switch (category)
      case ConnectionTypeFragment.ACTION_CATEGORY:
        mLastScanFragment = new ScanFragment();
        Bundle args1 = new Bundle();
        // actionIdはGUI画面の選択肢(Antenna, Cable, Not sure)の
        // 上から何番目か?に相当する、一番上がactionId = 0
        // ★★CHANNEL_MAP_SCAN_FILEは後述
        args1.putInt(ScanFragment.EXTRA_FOR_CHANNEL_SCAN_FILE,
                     CHANNEL_MAP_SCAN_FILE[actionId]);
        // ...snip...
        // ScanFragmentを実行、表示する
        showFragment(mLastScanFragment);

ScanFragment::onCreateView() @ src/com/android/tv/tuner/setup/ScanFragment.java
  ScanFragment::startScan()
    new ChannelScanTask()
    ChannelScanTask::execute()

ScanFragment::ChannelScanTask::doInBackground() @ src/com/android/tv/tuner/setup/ScanFragment.java
  //チャンネルリストを得る
  ChannelScanFileParser::parseScanFile() @ src/com/android/tv/tuner/setup/ScanFragment.java
  ScanFragment::ChannelScanTask::scanChannels()
    TunerTsStreamer::startStream(ChannelScanFileParser.ScanChannel) @ src/com/android/tv/tuner/source/TunerTsStreamer.java
      TunerHal::tune() @ src/com/android/tv/tuner/TunerHal.java
        Java_com_android_tv_tuner_TunerHal_nativeTune() @ jni/tunertvinput_jni.cpp
          DvbManager::tune() @ jni/DvbManager.cpp
            //DVB API v5でのチューニング方法
            ioctl(FE_SET_PROPERTY) // /dev/dvb0.fe0などに対して実施

DvbManager::tune() はATSC決め打ちの場所があって、DVBやISDBなど他の放送規格には対応していないように見えます。

CHANNEL_MAP_SCAN_FILEはスキャンするチャンネルの一覧が書いてあるファイルのリソースIDが並んでいます。

チャンネルリストのリソースID
    private static final int CHANNEL_MAP_SCAN_FILE[] = {
        R.raw.ut_us_atsc_center_frequencies_8vsb,
        R.raw.ut_us_cable_standard_center_frequencies_qam256,
        R.raw.ut_us_all,
        R.raw.ut_kr_atsc_center_frequencies_8vsb,
        R.raw.ut_kr_cable_standard_center_frequencies_qam256,
        R.raw.ut_kr_all,
        R.raw.ut_kr_dev_cj_cable_center_frequencies_qam256,
        R.raw.ut_euro_dvbt_all,
        R.raw.ut_euro_dvbt_all,
        R.raw.ut_euro_dvbt_all
    };

ちなみにファイルはpackages/apps/TV/usbtuner-res/rawの下にあります。もし新しいファイルfile_nameを追加したいときは、ディレクトリの下にファイルを追加し、CHANNEL_MAP_SCAN_FILEにR.raw.file_nameのように、追加すれば良いみたいです。

視聴

TV視聴の際は、チューニングとMPEG2-TSデータを受け取って、セクション解析する処理が行われるようです。

チューニングについては、チャネルスキャンで紹介したTunerHal::tune() が使われますので割愛して、TSデータを受け取るところを調べます。どうも下記のようになっているようです。

DVB APIデバイスからTSを受け取って、PSIパーサーに渡すまで
TunerTsStreamer::StreamingThread::run() @ src/com/android/tv/tuner/source/TunerTsStreamer.java
  TunerHal::readTsStream() @ src/com/android/tv/tuner/TunerHal.java
    TunerHal::nativeWriteInBuffer()
      Java_com_android_tv_tuner_TunerHal_nativeWriteInBuffer() @ jni/tunertvinput_jni.cpp
        DvbManager::readTsStream() @ jni/DvbManager.cpp
          read() // /dev/dvb0.dvr0など
  EventDetector::feedTSStream() @ src/com/android/tv/tuner/tvinput/EventDetector.java
    TsParser::feedTSData() @ src/com/android/tv/tuner/ts/TsParser.java
      TsParser::feedTSPacket()
        Stream::feedData()
          SectionStream::handleData()
            SectionParser::parseSections() @ src/com/android/tv/tuner/ts/SectionParser.java

詳細に調べ切れていませんが、動画や音声データはcom.android.tv.tunerではあまり触らないようです。ExoPlayerに丸投げですかね?

編集者:すずき(2018/06/29 21:37)

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2018年6月28日

Namazu延命

Namazuの延命策として、検索文字列にUTF-8文字列を投げられるようにしました。

といっても、オリジナルのCGIをnamazu.cgi → namazu2.cgiにリネームして、下記のラッパーCGIを用意しただけです。

SakuraはPerlが2種類(/usr/bin/perl = perl 5.8, /usr/bin/perl5 = perl 5.14)入っていて、perl 5.14だけText::Iconvがインストールされています。しかしなぜか @INCにパスが通っていません。仕方ないので、かなりダサいですが、強引にパスを通しています。

UTF-8の検索文字列をEUC-JPに変換するラッパー

#!/usr/bin/perl5

use lib '/usr/local/lib/perl5/site_perl/5.14/mach';

use CGI;
use Text::Iconv;

my $cv = Text::Iconv->new("UTF-8", "EUC-JP");
my $cgi = CGI->new;
my $q_cv = $cv->convert(scalar $cgi->param('query'));
$cgi->param('query', $q_cv);
$q_str = $cgi->query_string();
print "Location: namazu2.cgi?" . $q_str . "\n\n";

今回スクリプトを書いていて初めて知ったのですがCGIのparam関数を読んでスカラ値を受けたい場合scalar $cgi->param('query') という書き方をした方が良いそうです。

理由の詳細はこのブログ(New Class of Vulnerability in Perl Web Applications)に載っていますが、ハッシュで受けると意図せず他の値を上書きしてしまう可能性があるので、明示的にスカラとして受け取るべき、ということらしいです。

気づいたきっかけ

Perl初心者の私がなぜ気づいたかというと、動作テストをしたときにApacheの動作ログに、下記のWarningが記録されたからです。

Apacheのエラーログ
AH01215: CGI::param called in list context from /home/katsuhiro/public_html/namazu/aaa.cgi line 8, this can lead to vulnerabilities.
See the warning in "Fetching the value or values of a single named parameter" at /usr/share/perl5/CGI.pm line 412.

初心者にはエラーメッセージだけだと意味がわかりませんが、Warningメッセージに言われるがまま /usr/share/perl5/CGI.pm 412行目を見ると、

CGI.pm

	# list context can be dangerous so warn:
	# http://blog.gerv.net/2014.10/new-class-of-vulnerability-in-perl-web-applications
	if ( wantarray && $LIST_CONTEXT_WARN == 1 ) {
		my ( $package, $filename, $line ) = caller;
		if ( $package ne 'CGI' ) {
			$LIST_CONTEXT_WARN++; # only warn once
			warn "CGI::param called in list context from $filename line $line, this can lead to vulnerabilities. "
				. 'See the warning in "Fetching the value or values of a single named parameter"';
		}
	}

危険な理由として、先ほど紹介したブログのURLを書いてくれていました。親切ですね。ブログを読んだので何となくわかりましたが、説明なしでは若干難解なコードかもしれません…。

編集者:すずき(2018/06/29 00:12)

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2018年6月26日

Kindleの本もダブることがある

目次: Kindle

Kindleの本は「ダブって買うことがない」利点があります。

が、例外もあって、今回ハマってしまいました。

ASIN

Amazonの電子書籍には必ずASIN(Amazon Standard Identification Number)というユニークなIDが振られています。AmazonストアのURLの最後に付いている、謎の英数字、あれがASINです。

Kindleストアで本を選択したとき、自動的に購入済みのASINかどうか(=その本を持っているかどうか)チェックされ、購入済みか否かで、ストアに表示されるボタンが変わります。例えば500円の本なら、

  • 未購入、未発売: 「¥500で予約注文」ボタン
  • 未購入、発売中: 「¥500で今すぐ購入」ボタン
  • 購入済み: 「今すぐ読む」ボタン

このように3パターンのうち適切なボタンが表示されます。また、ブラウザの戻る機能で購入ページに戻り、同じ購入ボタンを押しても「あなた、もう買ってるでしょ?」って言われます。Kindleのダブり防止機能はかなり強力です。

この素敵な機能のおかげで、同じ本を2冊買うことはほぼありません。

同じ本、違うASIN

Kindleのダブり防止は「同じ本なら、ずっと同じASIN」という前提に依存していますので、この前提が崩れてしまうと、チェックが効かず、同じ本を2回買えてしまいます。例えば、下記のような場合です。

  • 同じ本がストアに2つ登録されている(ストア側がダブっている)
  • 同じ本がストアに2回登録された(古い本を消して、新しい本を登録した)

私が今回ハマったパターンは後者でした。オンラインThe Comicという本の9巻目で、同じ本のようですが、なぜか ASIN: B07CH794VZ(以降、旧版)と、ASIN: B07CSVJYL2(以降、新版)の2つのASIDが存在しています。そのため、

  • 旧版を買う
  • 旧版がストアから外され、新版が登録される
  • 新版も買う

このような経緯で2冊買ってしまいました。ちなみに現在、旧版は買えず、評価ページだけが悲しく残っています。

返品できる

Amazonのカスタマーサポートに連絡したところ、新版の購入を取り消して、返金してもらうことができました。またカスタマーサポートの方が言うには「ストア内で本の入れ替えはある」ようです。

今回のようなASINの付け替えは良くあるのか?珍しいのか?ちょっと気になります。あまり気軽にASINの付け替えをやられますと、購入、未購入の管理が結構辛くなります。

しかしまあ、今まで6,000冊ほど買ってきて、今回初めてASINの付け替えに当たったので、体感的にそんなに頻度は高くないように思います。普通に楽しむ程度なら、まず困らない頻度だとは思います。

編集者:すずき(2021/12/08 04:01)

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    「[画面のブランクを無効にする] 目次: LinuxROCK 3 model CのDebian bullseyeイメージは10分...」
  • link 24年3月3日
    すずき (03/19 11:07)
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最終更新: 03/19 11:48