書籍通販のhontoがこんなキャンペーンをやっています。
このキャンペーン画像を見たときの率直な感想としては、どんな人間を想定したら、読書一生分がたった93万円に収まるのか?でした。マンガしか読んでない自分でさえ100万じゃ10年も持ちません。
思い込みで文句を言うのは良くないなと思って、統計データを見ました。総務省統計局 - 読書に関する支出(2018年)によると、1世帯、読書の支出が年間10,628円(電子書籍含まず)です。電子書籍を含む値段で考えたとしても、さほど変わりません。電子書籍を最も購入している30代(世帯主の年齢)でも1,736円で、読書支出は12,000円程度だからです。
世帯の読書支出10,628円x日本人の平均寿命84年 = 892,752円となり、hontoのキャンペーン金額と大体同じくらいになります。あながち間違った数値でもなかった、ということですね。
先程のデータを見ていて何が驚いたって、1世帯で1年間たった1万円しか本を買わないことです。この時点で少ないなと思うんですけど……。1世帯には複数人が生活していますので、1人あたりの支出も計算してみます。
世帯の平均人数はe-Statで調べることができます。平均世帯人員、年次別(平成27年国民生活基礎調査 世帯票 報告書掲載 年次推移 表番号7)を見ると、2015年で1世帯平均2.49人です。
世帯あたり読書の支出は1年10,628円(書籍7,478円、雑誌3,150円)割ることの、日本の平均世帯人数2.49人(減少傾向)ですから、1人あたり1年で4,268円(書籍3,003円、雑誌1,265円)です。さらに少なくなりました。
例えば、週刊少年ジャンプ(定価270円x 50冊 = 13,500円)をもれなく買うだけで3倍以上の支出になります。普段全く本は買わない、くらいじゃないと1年4,268円は厳しいです。世間の生活が想像できません……。
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