先日(2017年6月2日の日記参照)の続きです。USB 3.0機器のそばにワイヤレスマウスやワイヤレスキーボードのレシーバーを設置すると、動かなくなってしまう現象についてです。
まず、本当にUSB 3.0のせいなのか気になります。
CQ出版「USB 3.0設計のすべて」を良くわからんながらもパラパラ眺めているのですが、USB 3.0はPCI ExpressのPHYを使い回せるという記述がやたら出てきます。
なるほど、高速SerDes設計は難しいのでUSB 3.0用に新たに起こすより、PCI ExpressのPHYを使い回せる方が半導体ベンダも楽だし、結果的に安くなるしハッピーですよね。
5Gbpsというバカっ速な信号の取り回しは大変ですが、物理層、コネクタ、ボード設計にPCI Expressのノウハウが使い回せることも恩恵だそうです。これも結果的に値段に反映されてハッピーですね。
だからUSB 3.0の物理層とPCI Expressの物理層の間で、2ペア作動信号による全二重通信、8b/10bエンコード、そして信号速度5Gbpsなど共通点が多いのは、偶然では無いのです。
USB 3.0の信号速度は5Gbpsです。ということはクロックは5GHzのはずで、一番強烈なノイズは5GHz付近じゃないかと思ったのですが、何故2.5GHzなのでしょうか?
まず確実に言えるのは、USB 3.0にクロック信号だけを伝える配線は存在しないことです。PCI ExpressやUSB 3.0の8b/10bエンコードは信号とクロックを一緒に送る、埋め込みクロックと呼ばれる信号の送り方をするため、5GHzで単純に振動する信号はありません。
USB 3.0は5Gbpsと名乗るからには、送信側、受信側ともに信号を5G回/sで見ている、つまり1bitの間隔が0.2nsになっているはずです。もし0.2ns間隔で1, 0を交互に繰り返すような信号なら2.5GHzの正弦波に近い信号になるため、2.5GHz付近にノイズが発生するはずです。
しかし8b/10bの信号表を見ていると1, 0が交互に出るパターンも存在しますが、1, 1, 0, 0のように同じ値が2回以上続いてから反転するパターンの方が多いように見えます。
少ないとは言え8b/10bエンコーディングで1, 0のパターンが生成される以上、USB 3.0が2.5GHz帯にノイズを出すことは間違いないと考えられますが、この考え方であってるんでしょうか?何だかスッキリしません……。
本に依れば、コネクタやレセプタクルに厳しく品質を求めており、スペクトル拡散クロック(SSC)が必須でEMI対策を頑張っているようにも見えます。
SSCで特定の周波数にピークが来るようなノイズは防げるけど、如何なSSCと言えども満遍なくノイズが発生するのは避けられません。また、ワイヤレスマウスやキーボードの出力がそれほど強いとは考えにくいので、無線がノイズに負けやすいのかもしれません。
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