Java™ Platform
Standard Edition 7

パッケージ javax.accessibility

ユーザーインタフェースコンポーネントとそれらのコンポーネントへのアクセスを提供するユーザー補助テクノロジの間の規約を定義します。

参照: 説明

パッケージ javax.accessibility の説明

ユーザーインタフェースコンポーネントとそれらのコンポーネントへのアクセスを提供するユーザー補助テクノロジの間の規約を定義します。Java Accessibility API を完全にサポートしている Java アプリケーションであれば、画面リーダーや画面拡大機能などのユーザー補助テクノロジと互換性を持ち、簡単に対応できます。 画面リーダーのオフスクリーンモデルに通常含まれている情報はすべて Java Accessibility API で提供されるので、この API を完全にサポートしている Java アプリケーションでは、画面リーダーのオフスクリーンモデルは不要になります。

Java Accessibility API パッケージは、8 つの Java プログラミング言語インタフェースと、6 つの Java プログラミング言語クラスで構成されています。これらについて次に説明します。

インタフェース Accessible

インタフェース Accessible は、Java Accessibility API のメインインタフェースです。Java Accessibility API をサポートするコンポーネントは、すべてこのインタフェースを実装する必要があります。このインタフェースには、AccessibleContext クラスのインスタンスを返す getAccessibleContext というメソッドがあります。Java アプリケーションでユーザー補助テクノロジとの互換性を得るには、少なくとも、アプリケーションのユーザーインタフェースを構成するオブジェクトすべてにこのインタフェースを実装する必要があります。

AccessibleContext クラス

AccessibleContext は、すべての Accessible が返す共通の最小情報を表し、Accessible インタフェースを実装するオブジェクトに対して getAccessibleContext メソッドを呼び出すことで取得されます。この情報には、オブジェクトの Accessible 名、説明、役割、および状態や、オブジェクトの親および子についての情報などがあります。 さらに、JavaBeans TM プロパティー変更のサポートが含まれているので、ユーザー補助テクノロジプロパティーの値が変化するとそれをユーザー補助テクノロジで認識できます。また、AccessibleContext には、あるコンポーネントについての、より詳細なアクセシビリティー情報を取得するためのメソッドがあります。このコンポーネントが AccessibleContext をサポートしている場合、これらのメソッドは、次の 1 つ以上のインタフェースを実装するオブジェクトを返します。

AccessibleRole クラス

このクラスは、ユーザーインタフェースでの Accessible オブジェクトの役割をカプセル化します。AccessibleContext に対して getAccessibleRole メソッドを呼び出すことで取得されます。Accessible オブジェクトの役割には、「チェックボックス」、「メニュー項目」、「パネル」などがあります。これらの役割は、AccessibleRole.CHECK_BOX、AccessibleRole.MENU_ITEMAccessibleRole.PANEL のように、このクラスの定数で識別されます。このクラスの定数は、一般的なオブジェクト役割の、強く型付けされた列挙を示します。このクラスの public コンストラクタは意図的に省略されており、アプリケーションはこのクラスから定数の 1 つを使用する必要があります。このクラスには、標準の役割が多数定義されていますが、将来このリストを拡張して、プログラマが定義した役割を追加することもできます。このとき、基底クラスを変更する必要はありません。

AccessibleState クラス

このクラスは、Accessible オブジェクトの個々の状態をカプセル化します。Accessible の状態には、「作動準備完了」、「ビジー」、「チェック」、「フォーカス」などがあります。これらの状態は、AccessibleState.ARMED、AccessibleState.BUSY、AccessibleState.CHECKEDAccessibleState.FOCUSED のように、このクラスの定数で識別されます。Accessible オブジェクトの状態の総和は AccessibleStateSet と呼ばれ、AccessibleContext に対して getAccessibleStateSet メソッドを呼び出すことで取得されます。

このクラスの定数は、一般的なオブジェクト役割の、強く型付けされた列挙を示します。このクラスの public コンストラクタは意図的に省略されており、アプリケーションはこのクラスから定数の 1 つを使用する必要があります。このクラスには、標準の状態が多数定義されていますが、将来このリストを拡張して、プログラマが定義した状態を追加することもできます。このとき、基底クラスを変更する必要はありません。

AccessibleStateSet クラス

このクラスは、Accessible オブジェクトの状態のコレクションをカプセル化します。AccessibleContext に対して getAccessibleStateSet メソッドを呼び出すことで取得されます。オブジェクトは複数の状態を持つことがあるので (「チェックされている」と「フォーカスされている」の両方など)、これらの状態のコレクションをカプセル化するためにこのクラスが必要になります。このクラスのメソッドを使用すると、状態セットから個々の AccessibleStates を取得できます。

AccessibleBundle クラス

このクラスは、強く型付けされた列挙を維持するために使用されます。このクラスは、AccessibleRole クラスおよび AccessibleState クラスのスーパークラスです。通常、プログラマはこのクラスを直接操作せず、AccessibleRole クラスや AccessibleState クラスを使用します。

インタフェース AccessibleAction

AccessibleAction インタフェースは、1 つ以上のアクションを実行できるすべてのオブジェクトによってサポートされる必要があります。このインタフェースは、実行するアクションを決定し、オブジェクトにそれらのアクションを実行するように指示するための標準メカニズムをユーザー補助テクノロジに提供します。操作可能なオブジェクトはすべてこのインタフェースをサポートする必要があります。

アプリケーションは、オブジェクトの AccessibleContext (Accessible を参照) を取得してから、AccessibleContextgetAccessibleAction メソッドを呼び出すと、オブジェクトが AccessibleAction インタフェースをサポートするかどうかを判定できます。戻り値が null でなければ、そのオブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

インタフェース AccessibleComponent

AccessibleComponent インタフェースは、画面に描画されるすべてのオブジェクトによってサポートされる必要があります。このインタフェースは、オブジェクトのグラフィカルな表現を判定および設定するための標準メカニズムをユーザー補助テクノロジに提供します。

アプリケーションは、オブジェクトの AccessibleContext (Accessible を参照) を取得してから、AccessibleContextgetAccessibleComponent メソッドを呼び出すと、オブジェクトが AccessibleComponent インタフェースをサポートするかどうかを判定できます。戻り値が null でなければ、そのオブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

インタフェース AccessibleSelection

AccessibleSelection インタフェースは、現在選択されている子を判定したり、選択されているセットを変更するための標準メカニズムをユーザー補助テクノロジに提供します。選択することができる子を持つすべてのオブジェクトは、この AccessibleSelection インタフェースをサポートする必要があります。

アプリケーションは、オブジェクトの AccessibleContext (Accessible を参照) を取得してから、AccessibleContextgetAccessibleSelection メソッドを呼び出すと、オブジェクトが AccessibleSelection インタフェースをサポートするかどうかを判定できます。戻り値が null でなければ、そのオブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

インタフェース AccessibleText

AccessibleText インタフェースは、編集可能なリッチテキストをアクセス可能にするための規約です。画面に表示されるすべてのテキストが編集可能なリッチテキストであるとは限りません (ボタン、ラベル、メニューなどに含まれている、ユーザーが操作することのないテキストなど)。ただし、編集可能なテキストを含んでいるオブジェクトをユーザー補助テクノロジと相互運用できるようにするには、これらのオブジェクトに AccessibleText インタフェースを実装する必要があります。

このインタフェースは、ピクセル座標間の移動や指定されたピクセル座標にあるテキストへの移動、テキスト内の指定された位置またはその前後にある文字、語、または文の取得、テキスト内の指定された位置にある文字の属性 (フォント、フォントサイズ、スタイルなど) の取得、選択されているテキストの取得 (存在する場合)、テキストの長さおよびテキストキャレット位置の取得をサポートします。

アプリケーションは、オブジェクトの AccessibleContext (Accessible を参照) を取得してから、AccessibleContextgetAccessibleText メソッドを呼び出すと、オブジェクトが AccessibleText インタフェースをサポートするかどうかを判定できます。戻り値が null でなければ、そのオブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

インタフェース AccessibleHypertext

AccessibleHypertext インタフェースは、ハイパーテキスト情報を画面に表示するすべてのオブジェクトによってサポートされる必要があります。このインタフェースは、内容、属性、および空間位置を使ってそのテキストにアクセスするための標準メカニズムをユーザー補助テクノロジに提供します。また、このクラスは、ハイパーリンクを操作するための標準メカニズムも提供します。アプリケーションは、オブジェクトの AccessibleContext (Accessible を参照) を取得してから、AccessibleContext の AccessibleContext.getAccessibleText() メソッドを呼び出すと、オブジェクトが AccessibleHypertext インタフェースをサポートするかどうかを判定できます。戻り値が AccessibleHypertext を継承するクラスの場合は、そのオブジェクトは AccessibleHypertext をサポートしています。

インタフェース AccessibleHyperlink

オブジェクトがハイパーリンクの場合、そのオブジェクトは AccessibleHyperlink インタフェースをサポートする必要があります。 AccessibleHypertext オブジェクトに対して getLink メソッドを呼び出すと、このインタフェースを実装するオブジェクトが返されます。

インタフェース AccessibleValue

AccessibleValue インタフェースは、数値をサポートするすべてのオブジェクト (スクロールバーなど) によってサポートされる必要があります。このインタフェースは、数値を判定および設定したり、最小値および最大値を取得するための標準メカニズムをユーザー補助テクノロジに提供します。

アプリケーションは、オブジェクトの AccessibleContext (Accessible を参照) を取得してから、AccessibleContextgetAccessibleValue メソッドを呼び出すと、オブジェクトが AccessibleValue インタフェースをサポートするかどうかを判定できます。戻り値が null でなければ、そのオブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

導入されたバージョン:
1.2
Java™ Platform
Standard Edition 7

バグまたは機能を送信
詳細な API リファレンスおよび開発者ドキュメントについては、Java SE のドキュメントを参照してください。そのドキュメントには、概念的な概要、用語の定義、回避方法、有効なコード例などの、開発者を対象にしたより詳細な説明が含まれています。
Copyright © 1993, 2013, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.