RPC.YPXFRD
Section: Reference Manual (8)
Updated: August 2001
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名前
rpc.ypxfrd - NIS マップ転送サーバー
書式
/usr/sbin/rpc.ypxfrd [ -d path ] [ -p port ] [ --debug ]
/usr/sbin/rpc.ypxfrd --version
説明
rpc.ypxfrd は非常に大きな NIS マップを NIS マスターから NIS スレーブサーバーに
転送する際に、転送を高速化するために用いられる。 NIS スレーブサーバーは、新しいマップがあるというメッセージを
受け取ると、そのマップを取得するために ypxfr を起動する。 ypxfr は yp_all()
関数を用いてマップの内容をマスターサーバーから 読み込もうとする。この情報はデーターベースライブラリを
通して保存されるため、マップのサイズが非常に大きくなると、 このプロセスは数分もかかってしまうことがある。
rpc.ypxfrd サーバーは、 NIS スレーブサーバーにマスターのマップファイルを
単純にコピーさせ、転送プロセスを高速化する。スレーブサーバーが ゼロからマップを生成するのに比べ、これはずっと短時間ですむ。 rpc.ypxfrd
は RPC ベースの転送プロトコルを用いるので、新しいマップを 生成する必要はなくなる。
rpc.ypxfrd は inetd から起動することもできるが、起動には時間がかかるので、 ypserv の後に
/etc/init.d/ypxfrd から起動するのが良い。
オプション
- --debug
-
サーバーをデバッグモードで起動する。 デバッグモードでは、サーバーはバックグラウンドへ待避せず、 アクセス要求を受けるたびに細かなステータスメッセージを
標準エラー出力に表示する。
- -d directory
-
/var/yp の代わりに rpc.ypxfrd が用いるディレクトリを指定する。
- -p port
-
rpc.ypxfrd がバインドするポート番号を指定する。このオプションを用いると、 ルータに NIS ポートへのパケットをフィルタリングさせ、
インターネットからの NIS サーバーへのアクセスを制限できる。
- --version
-
バージョン番号を表示する。
セキュリティ
rpc.ypxfrd はホストのチェックに ypserv と同じ機能を用いる。まず rpc.ypxfrd は要求元のアドレスを
/var/yp/securenets または tcp wrapper でチェックする。ホストのサーバーへの接続が 許されている場合には、
rpc.ypxfrd は /etc/ypserv.conf から要求されたマップのルールをチェックする。マップの名前が
ルールにマッチしない場合には、 rpc.ypxfrd はそのマップの YP_SECURE キーを調べる。キーが存在していると、
rpc.ypxfrd は特権ポートからの要求だけを許可する。
ファイル
/etc/ypserv.conf /var/yp/securenets
関連項目
ypserv(8), makedbm(8), yppush(8), ypxfr(8)
バグ
FreeBSD の ypxfrd プロトコルは SunOS のものとは互換性がない。これは残念なことではあるが、 不可避なものであった。 Sun
のプロトコルはフリーに入手できるものでは なかったし、仮に入手ができたとしても有用なものにはなりえなかったろう。 後者の理由は、 SunOS NIS
v2 の実装がマップのデーターベースにオリジナルの ndbm パッケージを用いているのに対し、他の実装では GNU DBM や Berkeley DB
を用いているからである。これらのパッケージはまったく異なったファイル フォーマットを用いている上、 ndbm と gdbm ではバイトオーダーンの違いを
賢く扱うことができない。したがって big endian なシステムで生成された gdbm や ndbm のデーターベースは、 little
endian なシステムでは読むことが できないのである。 FreeBSD の ypxfrd
プロトコルは、マスターとスレーブの両方が同じデーターベースパッケージを 使っているかどうかを、また必要に応じて、両システムでのバイトオーダーが等しいか
どうかをチェックする。
作者
ypxfrd プロトコルと FreeBSD への実装: Bill Paul <wpaul@ctr.columbia.edu>
Linux への実装: Thorsten Kukuk <kukuk@suse.de>
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