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*参照元 [#j0c13b2c]
#backlinks
*説明 [#yd8af7ae]
-パス: [[linux-2.6.25/include/linux/kernel.h]]
-ポインタが指す構造体のメンバ、それを含む構造体へのポインタを返す。
--例えば、
struct example {
int mem_a;
char mem_b;
};
struct example hoge;
--という構造体があったとする。
int *mem_ptr = &hoge.a;
--上記のような、構造体のメンバへのポインタ mem_ptr しか
分からない状態から hoge へのポインタを得たいときに container_of を
使う。
struct example *ptr = container_of(mem_ptr, struct example, mem_a);
--すると ptr が指す先(hoge.mem_a)を含む構造体への
ポインタ(&hoge)が得られる。
**引数 [#k503964a]
-ptr
--構造体のメンバへのポインタを指定する。
-type
--ptr に指定したポインタが指すメンバ、これを含む「構造体名」を指定する。
マクロはここで指定した型のポインタを返す。
---上記の例で言うと変数名の hoge ではなくて、変数の型の
名前 struct example を指定する。
-member
--ptr に指定したポインタが指す「メンバ名」を指定する。
---上記の例で言うとポインタ変数 mem_ptr ではなくて、
struct example 構造体のメンバ名である mem_a を指定する。
**返り値 [#i54f1798]
-type *
--指定した構造体のメンバへのポインタ(ptr に指定する)が指すメンバ
(メンバの名前は member に指定する)、
これを含む構造体(構造体の型は type に指定する)へのポインタを返す。
**参考 [#f34cf27c]
-なし
*実装 [#r404238c]
/**
* container_of - cast a member of a structure out to the containing structure
* @ptr: the pointer to the member.
* @type: the type of the container struct this is embedded in.
* @member: the name of the member within the struct.
*
*/
#define container_of(ptr, type, member) ({ \
const typeof( ((type *)0)->member ) *__mptr = (ptr); \
-member の型のポインタ __mptr を宣言し、ptr の値を代入する。
--一見すると変なキャストであるが、
typeof( ((type *)0)->member )
は member の型を取得するための細工である。
---type 型のポインタにキャストした null ポインタを使う。
---typeof は gcc の拡張構文で、指定した変数の型を返す。
(type *)( (char *)__mptr - offsetof(type,member) );})
-構造体の先頭へのポインタを計算する。この値がマクロの戻り値となる。
--member を指すポインタから、メンバーのオフセットを引く。
メンバーのオフセットは構造体の先頭から、メンバーまでの距離なので、
メンバーのポインタから引いてやれば、構造体の先頭を指すポインタが得られる。
return -> ---- ----
mem_a |
---- | offset
mem_b ___|
---- <- __mptr
mem_c
----
---offsetof マクロは構造体のメンバー(member)が構造体(type)の先頭から
どの位置にいるか(オフセット)をバイト数で返す。
---拡張構文ではなく C の標準的なマクロで、stddef.h で定義されている。
manpage offsetof(3) などを参照のこと。
*コメント [#xe7df4f5]