JavaTM 2 Platform
Standard Ed. 5.0

java.util.concurrent.locks
クラス AbstractQueuedSynchronizer

java.lang.Object
  上位を拡張 java.util.concurrent.locks.AbstractQueuedSynchronizer
すべての実装されたインタフェース:
Serializable

public abstract class AbstractQueuedSynchronizer
extends Object
implements Serializable

ブロックロック、および先入れ先出し (FIFO) 待機キューに依存する関連シンクロナイザ (セマフォ、イベントなど) を実装するフレームワークを提供します。このクラスは、状態表現を単一の原子 int 値に依存する大半の種類のシンクロナイザの有用な基盤として設計されています。サブクラスは、この状態を変更する protected メソッドを定義する必要があり、そのメソッドは取得または解放中のオブジェクトを使用して状態の意味を定義します。これらが指定されると、このクラス内の他のメソッドはすべてのキューおよびブロック機構を稼働させます。サブクラスは、他の状態フィールドを維持できますが、同期に関する追跡を行えるのは getState()setState(int)、および compareAndSetState(int, int) メソッドを使用して操作され、原子的に更新された int 値だけです。

サブクラスは、public ではない内部ヘルパークラスとして定義する必要があります。これは、それを囲むクラスの同期プロパティの実装に使用されます。AbstractQueuedSynchronizer クラスは、同期インタフェースを一切実装しません。その代わり、具象ロックおよび関連するシンクロナイザにより適宜呼び出して public メソッドを実装できる acquireInterruptibly(int) などのメソッドを定義します。

このクラスは、デフォルトの「排他」モードおよび「共有」モードのいずれかまたは両方をサポートします。排他モードで取得されると、他のスレッドが取得を試みても成功しません。共有モードでは、複数のスレッドによる取得が可能です (ただし、必ず取得が成功する必要があるわけではない)。このクラスは、共有モードの取得が成功した場合、待機中の次のスレッド (存在する場合) も取得可能かどうかを判別する必要があるという機構的な意味を除き、これらの違いを「認識」しません。別のモードで待機中のスレッドは、同じ FIFO キューを共有します。通常、実装サブクラスはこれらのモードの 1 つだけをサポートしますが、ReadWriteLock などでは両方が機能することが可能です。排他モードまたは共有モードのみをサポートするサブクラスは、使用しないモードをサポートするメソッドを定義する必要はありません。

このクラスは、排他モードをサポートするサブクラスにより Condition 実装として使用可能な、入れ子にされた AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject クラスを定義します。isHeldExclusively() は、このクラスに関し、同期が現在のスレッドに関して排他的に保持されるか、現在の getState() 値を使って呼び出された release(int) メソッドがこのオブジェクトを完全に解放するか、この保存済み状態値が指定されると acquire(int) が最終的にこのオブジェクトを以前に取得された状態に復元するかをレポートします。それ以外では、AbstractQueuedSynchronizer メソッドはこの状態を作成しないため、この制限を満たすことができない場合は使用しないでください。当然のことですが、AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject の動作はシンクロナイザ実装のセマンティクスに依存します。

このクラスは、内部キューの検証、計測、および監視用メソッド、および状態オブジェクト用の類似メソッドを提供します。これらは、必要に応じ、同期機構の AbstractQueuedSynchronizer を使用してクラス内にエクスポートできます。

このクラスを直列化すると、基になる原子整数の保守状態だけが格納されるため、直列化復元されたオブジェクトは空のスレッドキューを保持します。直列化機能を必要とする通常のサブクラスは、直列化復元時にこれを既知の初期状態に復元する readObject メソッドを定義します。

使用法

このクラスをシンクロナイザのベースとして使用するには、適用可能であれば getState()setState(int)compareAndSetState(int, int) を使用して同期状態の検証や変更を行うことにより、次のメソッドを再定義します。

これらの各メソッドは、デフォルトで UnsupportedOperationException をスローします。これらのメソッドの実装は、内部がスレッドセーフでなければならず、また、通常は短くかつブロッキングなしでなければなりません。これらのメソッドの定義は、このクラスのサポートされる唯一の使用方法です。他のメソッドはすべて、個別に変更することはできないため、final と宣言されます。

このクラスは内部の FIFO キューに基づくとはいえ、自動的に FIFO 取得ポリシーが適用されるわけではありません。排他的な同期のコアは、次の形式になります。


Acquire:
while (!tryAcquire(arg)) {
enqueue thread if it is not already queued;
possibly block current thread;
}

Release:
if (tryRelease(arg))
unblock the first queued thread;
(共有モードも似ているが、カスケード信号が関係する場合がある)

取得のチェックはキューに入れられる前に呼び出されるので、新たに取得されるスレッドは、ブロックおよびキューに入れられる他のスレッドより先に「バージする」ことが可能です。ただし、必要であれば、tryAcquiretryAcquireShared を定義して、1 つ以上の検証メソッドを内部で呼び出すことにより、バージを無効にできます。特に、厳密な FIFO ロックは tryAcquire を定義して、getFirstQueuedThread() が現在のスレッドを返さない場合にただちに false を返すことが可能です。通常望ましい非厳密で偏りのないバージョンは、hasQueuedThreads()true を返し、getFirstQueuedThread が現在のスレッドでない (つまり getFirstQueuedThread が null でも現在のスレッドでもない) 場合にのみ、ただちに false を返すことができます。さらなるバリエーションが可能です。

通常、スループットとスケーラビリティは、デフォルトのバージ (「貪欲」、「放棄」、「護送回避」とも呼ばれる) ストラテジの最上位に位置します。これが偏りがなく、枯渇しないことは保証されませんが、先にキューに入れられたスレッドは、あとでキューに入れられるスレッドより前に再競合が許可され、各再競合は着信するスレッドに対して成功する公平な機会を保持します。また、取得は、通常の意味では「スピン」しませんが、ブロッキング前に他の計算に挿入された tryAcquire の複数の呼び出しを実行可能です。これにより、排他的な同期が短期的に保持されるだけの場合、スピンの恩恵の多くを享受できます。さらに、排他的な同期が保持されない場合にはほとんど負担なしで、その恩恵を享受できます。必要に応じ、「近道」チェックを持つメソッドを取得する呼び出しを前に配置することで、この値を増やすことができます。これは、シンクロナイザが競合する可能性が少ない場合、hasContended()hasQueuedThreads() を事前にチェックするなどの方法で実行できます。

このクラスは、使用範囲を int 状態、パラメータの取得と解放、および内部 FIFO 待機キューに依存可能なシンクロナイザに限定することにより、効率的で拡張性の高い同期基盤の一部を提供します。これでも十分ではない場合、atomic クラス、独自のカスタム Queue クラス、および LockSupport ブロックサポートを使用して、シンクロナイザを低レベルから構築できます。

使用例

以下に、値ゼロを使用してロック解除状態およびロック状態を表す再入不可能な相互排他ロッククラスを示します。これは、状態のサポートおよびいずれかの計測メソッドの公開も行います。


class Mutex implements Lock, java.io.Serializable {

// Our internal helper class
private static class Sync extends AbstractQueuedSynchronizer {
// Report whether in locked state
    protected boolean isHeldExclusively() { 
return getState() == 1; 
}

// Acquire the lock if state is zero
public boolean tryAcquire(int acquires) {
assert acquires == 1; // Otherwise unused
return compareAndSetState(0, 1);
}

// Release the lock by setting state to zero
protected boolean tryRelease(int releases) {
assert releases == 1; // Otherwise unused
if (getState() == 0) throw new IllegalMonitorStateException();
setState(0);
return true;
}

// Provide a Condition
Condition newCondition() { return new ConditionObject(); }

// Deserialize properly
private void readObject(ObjectInputStream s) throws IOException, ClassNotFoundException {
s.defaultReadObject();
setState(0); // reset to unlocked state
}
}

// The sync object does all the hard work. We just forward to it.
private final Sync sync = new Sync();

public void lock()                { sync.acquire(1); }
public boolean tryLock()          { return sync.tryAcquire(1); }
public void unlock()              { sync.release(1); }
public Condition newCondition()   { return sync.newCondition(); }
public boolean isLocked()         { return sync.isHeldExclusively(); }
public boolean hasQueuedThreads() { return sync.hasQueuedThreads(); }
public void lockInterruptibly() throws InterruptedException { 
sync.acquireInterruptibly(1);
}
public boolean tryLock(long timeout, TimeUnit unit) throws InterruptedException {
return sync.tryAcquireNanos(1, unit.toNanos(timeout));
}
}

以下に、起動に単一の signal を必要とすることを除き、CountDownLatch クラスに類似したラッチクラスを示します。ラッチは非排他的であるため、shared 取得および解放メソッドを使用します。


class BooleanLatch {

private static class Sync extends AbstractQueuedSynchronizer {
boolean isSignalled() { return getState() != 0; }

protected int tryAcquireShared(int ignore) {
return isSignalled()? 1 : -1;
}

protected boolean tryReleaseShared(int ignore) {
setState(1);
return true;
}
}

private final Sync sync = new Sync();
public boolean isSignalled() { return sync.isSignalled(); }
public void signal()         { sync.releaseShared(1); }
public void await() throws InterruptedException {
sync.acquireSharedInterruptibly(1);
}
}

導入されたバージョン:
1.5
関連項目:
直列化された形式

入れ子のクラスの概要
 class AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject
          Lock 実装の基盤として機能する、AbstractQueuedSynchronizer の状態実装 このクラスのメソッドドキュメントには、Lock および Condition ユーザから見た動作仕様ではなく、内部機構が記載されています。
 
コンストラクタの概要
protected AbstractQueuedSynchronizer()
          ゼロの初期同期状態を使用して、新規 AbstractQueuedSynchronizer インスタンスを作成します。
 
メソッドの概要
 void acquire(int arg)
          割り込みを無視して、排他モードで取得します。
 void acquireInterruptibly(int arg)
          排他モードで取得します。
 void acquireShared(int arg)
          割り込みを無視して、共有モードで取得します。
 void acquireSharedInterruptibly(int arg)
          共有モードで取得します。
protected  boolean compareAndSetState(int expect, int update)
          現在の状態値が予想される値に等しい場合、同期状態を指定された更新値に原子的に設定します。
 Collection<Thread> getExclusiveQueuedThreads()
          排他モードで取得するために待機中のスレッドを含むコレクションを返します。
 Thread getFirstQueuedThread()
          キュー内の最初の (待機時間のもっとも長い) スレッドを返します。
 Collection<Thread> getQueuedThreads()
          取得を待機しているスレッドを含むコレクションを返します。
 int getQueueLength()
          取得を待機しているスレッドの推定数を返します。
 Collection<Thread> getSharedQueuedThreads()
          共有モードで取得するために待機中のスレッドを含むコレクションを返します。
protected  int getState()
          同期状態の現在値を返します。
 Collection<Thread> getWaitingThreads(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
          このシンクロナイザに関連付けられた指定状態で待機中のスレッドを含むコレクションを返します。
 int getWaitQueueLength(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
          このシンクロナイザに関連付けられた指定状態で待機しているスレッドの推定数を返します。
 boolean hasContended()
          このシンクロナイザの取得で競合しているスレッドが存在するかどうか (つまり、acquire メソッドがブロックされたかどうか) を照会します。
 boolean hasQueuedThreads()
          取得を待機中のスレッドが存在するかどうかを照会します。
 boolean hasWaiters(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
          このシンクロナイザに関連付けられた指定状態で待機しているスレッドが存在するかどうかを照会します。
protected  boolean isHeldExclusively()
          現在の (呼び出し側の) スレッドに関して、同期が排他的に行われる場合は true を返します。
 boolean isQueued(Thread thread)
          指定されたスレッドが、現在、キューに入れられている場合は true を返します。
 boolean owns(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
          指定された ConditionObject がこのシンクロナイザをロックとして使用するかどうかを照会します。
 boolean release(int arg)
          排他モードで解放します。
 boolean releaseShared(int arg)
          共有モードで解放します。
protected  void setState(int newState)
          同期状態の値を設定します。
 String toString()
          シンクロナイザおよびその状態を識別する文字列を返します。
protected  boolean tryAcquire(int arg)
          排他モードでの取得を試みます。
 boolean tryAcquireNanos(int arg, long nanosTimeout)
          排他モードで取得を試みます。
protected  int tryAcquireShared(int arg)
          共有モードでの取得を試みます。
 boolean tryAcquireSharedNanos(int arg, long nanosTimeout)
          共有モードで取得を試みます。
protected  boolean tryRelease(int arg)
          排他モードでの解放を反映するように、状態の設定を試みます。
protected  boolean tryReleaseShared(int arg)
          共有モードでの解放を反映するように、状態の設定を試みます。
 
クラス java.lang.Object から継承されたメソッド
clone, equals, finalize, getClass, hashCode, notify, notifyAll, wait, wait, wait
 

コンストラクタの詳細

AbstractQueuedSynchronizer

protected AbstractQueuedSynchronizer()
ゼロの初期同期状態を使用して、新規 AbstractQueuedSynchronizer インスタンスを作成します。

メソッドの詳細

getState

protected final int getState()
同期状態の現在値を返します。この操作は、volatile 読み込みのメモリセマンティクスを保持します。

戻り値:
現在の状態値

setState

protected final void setState(int newState)
同期状態の値を設定します。この操作は、volatile 書き込みのメモリセマンティクスを保持します。

パラメータ:
newState - 新規状態値

compareAndSetState

protected final boolean compareAndSetState(int expect,
                                           int update)
現在の状態値が予想される値に等しい場合、同期状態を指定された更新値に原子的に設定します。この操作は、volatile 読み込みおよび書き込みのメモリセマンティクスを保持します。

パラメータ:
expect - 予想される値
update - 新しい値
戻り値:
成功する場合は true。false は、実際の値が予想される値と等価ではないことを示す

tryAcquire

protected boolean tryAcquire(int arg)
排他モードでの取得を試みます。このメソッドは、オブジェクトが排他モードでの取得を許可する状態にあるかどうかを照会し、許可する状態にあれば取得します。

このメソッドは常に取得を実行するスレッドにより呼び出されます。このメソッドが失敗をレポートし、かつスレッドがキューに入れられていない場合、取得メソッドは、他のスレッドからの解放により信号が送信されるまでそのスレッドをキューに入れることができます。これは、Lock.tryLock() メソッドの実装に使用できます。

デフォルト実装は、UnsupportedOperationException をスローします。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は、常に acquire メソッドに渡される値、または状態待機へのエントリで保存される値になる。それ以外の場合、この値は未解釈となり、任意の値を表すことができる
戻り値:
成功する場合は true。成功時には、このオブジェクトは取得済みである
例外:
IllegalMonitorStateException - 取得により、このシンクロナイザが不正な状態に置かれる場合。同期が正しく機能するためには、この例外を一貫した方式でスローする必要がある
UnsupportedOperationException - 排他モードがサポートされていない場合

tryRelease

protected boolean tryRelease(int arg)
排他モードでの解放を反映するように、状態の設定を試みます。

このメソッドは、解放を実行するスレッドにより常に呼び出されます。

デフォルト実装は、UnsupportedOperationException をスローします。

パラメータ:
arg - release の引数。この値は、常に release メソッドに渡される値、または状態待機へのエントリでの現在の状態値になる。それ以外の場合、この値は未解釈となり、任意の値を表すことができる
戻り値:
待機中の任意のスレッドが取得を試みることができるように、このオブジェクトが完全に解放された状態にある場合は true、そうでない場合は false
例外:
IllegalMonitorStateException - 解放により、このシンクロナイザが不正な状態に置かれる場合。同期が正しく機能するためには、この例外を一貫した方式でスローする必要がある
UnsupportedOperationException - 排他モードがサポートされていない場合

tryAcquireShared

protected int tryAcquireShared(int arg)
共有モードでの取得を試みます。このメソッドは、オブジェクトが共有モードでの取得を許可する状態にあるかどうかを照会し、許可する状態にあれば取得します。

このメソッドは常に取得を実行するスレッドにより呼び出されます。このメソッドが失敗をレポートし、かつスレッドがキューに入れられていない場合、取得メソッドは、他のスレッドからの解放により信号が送信されるまでそのスレッドをキューに入れることができます。

デフォルト実装は、UnsupportedOperationException をスローします。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は、常に acquire メソッドに渡される値、または状態待機へのエントリで保存される値になる。それ以外の場合、この値は未解釈となり、任意の値を表すことができる
戻り値:
失敗した場合は負の値、排他的に成功した場合はゼロ、非排他的に成功した場合は正の値。どの場合でも、後続の待機スレッドは可用性をチェックする必要がある (3 つの異なる戻り値のサポートにより、取得だけが時折排他的に動作するコンテキスト内でこのメソッドを使用することが可能になる)。成功時には、このオブジェクトは取得済みである
例外:
IllegalMonitorStateException - 取得により、このシンクロナイザが不正な状態に置かれる場合。同期が正しく機能するためには、この例外を一貫した方式でスローする必要がある
UnsupportedOperationException - 共有モードがサポートされていない場合

tryReleaseShared

protected boolean tryReleaseShared(int arg)
共有モードでの解放を反映するように、状態の設定を試みます。

このメソッドは、解放を実行するスレッドにより常に呼び出されます。

デフォルト実装は、UnsupportedOperationException をスローします。

パラメータ:
arg - release の引数。この値は、常に release メソッドに渡される値、または状態待機へのエントリでの現在の状態値になる。それ以外の場合、この値は未解釈となり、任意の値を表すことができる
戻り値:
待機中の任意のスレッドが取得を試みることができるように、このオブジェクトが完全に解放された状態にある場合は true、そうでない場合は false
例外:
IllegalMonitorStateException - 解放により、このシンクロナイザが不正な状態に置かれる場合。同期が正しく機能するためには、この例外を一貫した方式でスローする必要がある
UnsupportedOperationException - 共有モードがサポートされていない場合

isHeldExclusively

protected boolean isHeldExclusively()
現在の (呼び出し側の) スレッドに関して、同期が排他的に行われる場合は true を返します。非待機状態の AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject メソッドが呼び出されるごとに、このメソッドが呼び出されます (待機状態のメソッドでは release(int) が呼び出される)。

デフォルト実装は、UnsupportedOperationException をスローします。このメソッドは、AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject メソッドで内部的にのみ呼び出されるため、状態が使用されない場合は定義する必要がありません。

戻り値:
同期が排他的に行われる場合は true、そうでない場合は false
例外:
UnsupportedOperationException - 状態がサポートされない場合

acquire

public final void acquire(int arg)
割り込みを無視して、排他モードで取得します。一度以上 tryAcquire(int) を呼び出すことで実装され、成功時に復帰します。それ以外の場合、スレッドはキューに入れられ、大抵の場合ブロックおよびブロック解除を何度も繰り返し、成功するまで tryAcquire(int) を呼び出します。このメソッドは、Lock.lock() メソッドの実装に使用できます。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は tryAcquire(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる

acquireInterruptibly

public final void acquireInterruptibly(int arg)
                                throws InterruptedException
排他モードで取得します。割り込みが発生した場合は、中止します。最初に割り込み状態をチェックしてから一度以上 tryAcquire(int) を呼び出すことで実装され、成功時に復帰します。それ以外の場合、スレッドはキューに入れられ、大抵の場合ブロックおよびブロック解除を何度も繰り返し、成功するかスレッドで割り込みが発生するまで tryAcquire(int) を呼び出します。このメソッドは、Lock.lockInterruptibly() メソッドの実装に使用できます。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は tryAcquire(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる
例外:
InterruptedException - 現在のスレッドで割り込みが発生した場合

tryAcquireNanos

public final boolean tryAcquireNanos(int arg,
                                     long nanosTimeout)
                              throws InterruptedException
排他モードで取得を試みます。割り込みが発生した場合は中止し、指定されたタイムアウト時間が経過した場合は失敗します。最初に割り込み状態をチェックしてから一度以上 tryAcquire(int) を呼び出すことで実装され、成功時に復帰します。それ以外の場合、スレッドはキューに入れられ、大抵の場合ブロックおよびブロック解除を何度も繰り返し、成功するかスレッドで割り込みが発生するか、タイムアウト時間が経過するまで tryAcquire(int) を呼び出します。このメソッドは、Lock.tryLock(long, TimeUnit) メソッドの実装に使用できます。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は tryAcquire(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる
nanosTimeout - 待機する最大ナノ秒数
戻り値:
取得した場合は true、タイムアウトした場合は false
例外:
InterruptedException - 現在のスレッドで割り込みが発生した場合

release

public final boolean release(int arg)
排他モードで解放します。tryRelease(int) が true を返す場合、1 つ以上のスレッドをブロック解除することで実装されます。このメソッドは、Lock.unlock() メソッドの実装で使用できます。

パラメータ:
arg - release の引数。この値は tryRelease(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる
戻り値:
tryRelease(int) から返される値

acquireShared

public final void acquireShared(int arg)
割り込みを無視して、共有モードで取得します。最初に一度以上 tryAcquireShared(int) を呼び出すことで実装され、成功時に復帰します。それ以外の場合、スレッドはキューに入れられ、大抵の場合ブロックおよびブロック解除を何度も繰り返し、成功するまで tryAcquireShared(int) を呼び出します。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は tryAcquireShared(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる

acquireSharedInterruptibly

public final void acquireSharedInterruptibly(int arg)
                                      throws InterruptedException
共有モードで取得します。割り込みが発生した場合には中止します。最初に割り込み状態をチェックしてから、一度以上 tryAcquireShared(int) を呼び出すことで実装され、成功時に復帰します。それ以外の場合、スレッドはキューに入れられ、大抵の場合ブロックおよびブロック解除を何度も繰り返し、成功するかスレッドで割り込みが発生するまで tryAcquireShared(int) を呼び出します。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は tryAcquireShared(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる
例外:
InterruptedException - 現在のスレッドで割り込みが発生した場合

tryAcquireSharedNanos

public final boolean tryAcquireSharedNanos(int arg,
                                           long nanosTimeout)
                                    throws InterruptedException
共有モードで取得を試みます。割り込みが発生した場合は中止し、指定されたタイムアウト時間が経過した場合は失敗します。最初に割り込み状態をチェックしてから、一度以上 tryAcquireShared(int) を呼び出すことで実装され、成功時に復帰します。それ以外の場合、スレッドはキューに入れられ、大抵の場合ブロックおよびブロック解除を何度も繰り返し、成功するか、スレッドで割り込みが発生するか、タイムアウト時間が経過するまで tryAcquireShared(int) を呼び出します。

パラメータ:
arg - acquire の引数。この値は tryAcquireShared(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる
nanosTimeout - 待機する最大ナノ秒数
戻り値:
取得した場合は true、タイムアウトした場合は false
例外:
InterruptedException - 現在のスレッドで割り込みが発生した場合

releaseShared

public final boolean releaseShared(int arg)
共有モードで解放します。tryReleaseShared(int) が true を返す場合、1 つ以上のスレッドをブロック解除することで実装されます。

パラメータ:
arg - release の引数。この値は tryReleaseShared(int) に送信されるが、それ以外の場合は未解釈となり、任意の値を表すことができる
戻り値:
tryReleaseShared(int) から返される値

hasQueuedThreads

public final boolean hasQueuedThreads()
取得を待機中のスレッドが存在するかどうかを照会します。いずれかの時点で割り込みおよびタイムアウトによる取り消しが発生した場合、true が返されても他のスレッドが取得を実行することは保証されません。

この実装では、この操作は一定の時間で復帰します。

戻り値:
ロックの取得を待機中の他のスレッドが存在する可能性がある場合は true

hasContended

public final boolean hasContended()
このシンクロナイザの取得で競合しているスレッドが存在するかどうか (つまり、acquire メソッドがブロックされたかどうか) を照会します。

この実装では、この操作は一定の時間で復帰します。

戻り値:
競合が存在する場合は true

getFirstQueuedThread

public final Thread getFirstQueuedThread()
キュー内の最初の (待機時間のもっとも長い) スレッドを返します。現在キューに入れられているスレッドが存在しない場合は null を返します。

通常、この実装では、この操作は一定時間で復帰します。ただし、他のスレッドがキューの変更を同時に実行している場合は、競合により処理を繰り返す場合があります。

戻り値:
キュー内の最初の (待機時間のもっとも長い) スレッド。現在キューに入れられているスレッドが存在しない場合は null

isQueued

public final boolean isQueued(Thread thread)
指定されたスレッドが、現在、キューに入れられている場合は true を返します。

この実装は、キューをトラバースして指定されたスレッドの存在を判別します。

パラメータ:
thread - スレッド
戻り値:
指定されたスレッドがキューに存在する場合は true
例外:
NullPointerException - スレッドが null の場合

getQueueLength

public final int getQueueLength()
取得を待機しているスレッドの推定数を返します。このメソッドが内部のデータ構造をトラバースしている間にも、スレッド数が動的に変化する場合があるため、この値は推定に過ぎません。このメソッドは、同期の制御用ではなく、システム状態を監視するためのものです。

戻り値:
このロックを待機しているスレッドの推定数

getQueuedThreads

public final Collection<Thread> getQueuedThreads()
取得を待機しているスレッドを含むコレクションを返します。実際のスレッドセットは、結果の構築中にも動的に変化する可能性があるため、返されるコレクションは最善の努力を払った上での推定に過ぎません。返されるコレクションの要素には、特定の順序は存在しません。このメソッドは、より包括的な監視機能を提供するサブクラスの構築を容易にする目的で設計されています。

戻り値:
スレッドのコレクション

getExclusiveQueuedThreads

public final Collection<Thread> getExclusiveQueuedThreads()
排他モードで取得するために待機中のスレッドを含むコレクションを返します。これは、排他的取得のために待機中のスレッドのみを返すことを除いては、getQueuedThreads() と同じプロパティを保持します。

戻り値:
スレッドのコレクション

getSharedQueuedThreads

public final Collection<Thread> getSharedQueuedThreads()
共有モードで取得するために待機中のスレッドを含むコレクションを返します。これは、共有的取得のために待機中のスレッドのみを返すことを除き、getQueuedThreads() と同じプロパティを保持します。

戻り値:
スレッドのコレクション

toString

public String toString()
シンクロナイザおよびその状態を識別する文字列を返します。状態は括弧で囲まれ、文字列「State =」に続いて getState() の現在値、およびキューが空かどうかに応じて「nonempty」または「empty」が含まれます。

オーバーライド:
クラス Object 内の toString
戻り値:
このシンクロナイザおよびその状態を識別する文字列

owns

public final boolean owns(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
指定された ConditionObject がこのシンクロナイザをロックとして使用するかどうかを照会します。

パラメータ:
condition - 状態
戻り値:
所有される場合は true
例外:
NullPointerException - 状態が null の場合

hasWaiters

public final boolean hasWaiters(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
このシンクロナイザに関連付けられた指定状態で待機しているスレッドが存在するかどうかを照会します。タイムアウトおよび割り込みの発生する可能性はいつでも存在するため、true は、将来の signal がスレッドを起動させることを保証しません。このメソッドは、主にシステム状態の監視に使用するためのものです。

パラメータ:
condition - 状態
戻り値:
待機中のスレッドが存在する場合は true
例外:
IllegalMonitorStateException - 排他的同期が保持されない場合
IllegalArgumentException - 指定された状態がこのシンクロナイザと関連付けられていない場合
NullPointerException - 状態が null の場合

getWaitQueueLength

public final int getWaitQueueLength(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
このシンクロナイザに関連付けられた指定状態で待機しているスレッドの推定数を返します。タイムアウトおよび割り込みの発生する可能性はいつでも存在するため、推定数は、実際の待機者数に関する上限を示すに過ぎません。このメソッドは、同期の制御用としてではなく、システム状態の監視用として設計されています。

パラメータ:
condition - 状態
戻り値:
待機中のスレッドの推定数
例外:
IllegalMonitorStateException - 排他的同期が保持されない場合
IllegalArgumentException - 指定された状態がこのシンクロナイザと関連付けられていない場合
NullPointerException - 状態が null の場合

getWaitingThreads

public final Collection<Thread> getWaitingThreads(AbstractQueuedSynchronizer.ConditionObject condition)
このシンクロナイザに関連付けられた指定状態で待機中のスレッドを含むコレクションを返します。実際のスレッドセットは、結果の構築中に動的に変化する可能性があるため、返されるコレクションは最善の努力を払った上での推定に過ぎません。返されるコレクションの要素には、特定の順序は存在しません。

パラメータ:
condition - 状態
戻り値:
スレッドのコレクション
例外:
IllegalMonitorStateException - 排他的同期が保持されない場合
IllegalArgumentException - 指定された状態がこのシンクロナイザと関連付けられていない場合
NullPointerException - 状態が null の場合

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バグの報告と機能のリクエスト
さらに詳しい API リファレンスおよび開発者ドキュメントについては、Java 2 SDK SE 開発者用ドキュメントを参照してください。開発者向けの詳細な解説、概念の概要、用語の定義、バグの回避策、およびコード実例が含まれています。

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