JavaTM 2
Platform
Std. Ed. v1.4.0

java.nio
クラス Buffer

java.lang.Object
  |
  +--java.nio.Buffer
直系の既知のサブクラス:
ByteBuffer, CharBuffer, DoubleBuffer, FloatBuffer, IntBuffer, LongBuffer, ShortBuffer

public abstract class Buffer
extends Object

特定のプリミティブ型データのコンテナです。

バッファは、特定のプリミティブ型要素のリニアで有限のシーケンスです。コンテンツのほかに、容量、リミット、位置という必須プロパティがあります。

「容量」は、そのバッファに含まれる要素数によって決定されます。容量の値は固定で、必ず正の値になります。

「リミット」は、読み込みまたは書き込みを行なってはならない最初の要素のインデックスです。容量以下の正の値になります。

「位置」は、次に読み込みまたは書き込みを行う要素のインデックスです。リミット以下の正の値になります。

非ブール型のプリミティブ型には、このクラスのサブクラスが 1 つずつ割り当てられています。

データの転送

このクラスのサブクラスは、それぞれ次の 2 つのカテゴリに該当する「get」および「put」を定義します。

「相対」操作。現在位置から 1 個以上の要素の読み込みまたは書き込みを行い、転送された要素の数だけ位置を増加します。要求された転送量がリミットを超える場合、相対「get」は BufferUnderflowException、相対「put」は BufferOverflowException をスローします。どちらの場合も、データは一切転送されません。

「絶対」操作。明示的な要素インデックスを使用するため、位置は変化しません。インデックス引数がリミットを超える場合、絶対「get」、絶対「put」ともに IndexOutOfBoundsException をスローします。

適切なチャネルの入出力操作を行えば、データの転送 (バッファとのやりとり) は可能です。この操作は、常に現在位置に対して相対的に行われます。

マークとリセット

バッファの「マーク」は、reset メソッドを実行したときに戻る位置を指定するインデックスです。定義されていない場合もありますが、定義されている場合は必ず位置以下の正の値になります。位置やリミットの値がマークの値よりも小さい場合、マークは破棄されます。マークが定義されていない状態で reset メソッドを呼び出すと、InvalidMarkException がスローされます。

インバリアント (不変式)

次のインバリアントは、マーク、位置、リミット、容量の値を表します。

0 <= mark <= position <= limit <= capacity

新しく作成されたバッファの位置は常に 0、マークは未定義です。リミットの初期値は 0 か、バッファの構築方法や種類によってはそれ以外の値になります。一般に、バッファの初期コンテンツは未定義です。

クリア、フリップ、リワインド

位置、リミット、容量の値にアクセスするメソッドや、マークやリセットを行うメソッドと同様に、このクラスもバッファに対する次のような操作を定義します。

読み込み専用バッファ

すべてのバッファは読み込み可能ですが、書き込みも可能であるとは限りません。各バッファクラスの変異メソッドは「省略可能な操作」に指定されており、読み込み専用バッファ上で呼び出されると ReadOnlyBufferException をスローします。読み込み専用バッファのコンテンツは変更できません。しかし、マーク、位置、リミットの値は変更可能です。バッファが読み込み専用であるかどうかは、isReadOnly メソッドを呼び出すことで判断できます。

スレッドの安全性

バッファは、複数の並列スレッドによる使用において安全ではありません。複数のスレッドで使用する場合は、適切な同期処理によってバッファへのアクセスを制御する必要があります。

呼び出しの連鎖

返すべき値を持っていないこのクラスのメソッドは、自身を呼び出すバッファを返すために指定されます。これを応用して、メソッド呼び出しを連鎖させることができます。たとえば次のような文があるとしましょう。

 b.flip();
 b.position(23);
 b.limit(42);
これらは、よりコンパクトな形式の一行で置き換えられます。
 b.flip().position(23).limit(42);

導入されたバージョン:
1.4

メソッドの概要
 int capacity()
          このバッファの容量を返します。
 Buffer clear()
          このバッファをクリアします。
 Buffer flip()
          このバッファをフリップ (反転) します。
 boolean hasRemaining()
          現在位置からリミットまでに何らかの要素が存在するかどうかを判断します。
abstract  boolean isReadOnly()
          このバッファが読み込み専用であるかどうかを判断します。
 int limit()
          このバッファのリミットを返します。
 Buffer limit(int newLimit)
          このバッファのリミットを設定します。
 Buffer mark()
          このバッファの現在位置にマークを設定します。
 int position()
          このバッファの位置を返します。
 Buffer position(int newPosition)
          このバッファの位置を設定します。
 int remaining()
          現在位置からリミットまでに存在する要素の数を返します。
 Buffer reset()
          バッファの位置を以前にマークした位置に戻します。
 Buffer rewind()
          このバッファをリワインド (巻き戻し) します。
 
クラス java.lang.Object から継承したメソッド
clone, equals, finalize, getClass, hashCode, notify, notifyAll, toString, wait, wait, wait
 

メソッドの詳細

capacity

public final int capacity()
このバッファの容量を返します。

戻り値:
このバッファの容量

position

public final int position()
このバッファの位置を返します。

戻り値:
このバッファの位置

position

public final Buffer position(int newPosition)
このバッファの位置を設定します。新しい位置の値よりもマークの値のほうが大きい場合、マークの定義は破棄されます。

パラメータ:
newPosition - 新しい位置の値は、このリミット以下の正の値でなければならない
戻り値:
このバッファ
例外:
IllegalArgumentException - newPosition の前提条件が満たされていない場合

limit

public final int limit()
このバッファのリミットを返します。

戻り値:
このバッファのリミット

limit

public final Buffer limit(int newLimit)
このバッファのリミットを設定します。位置の値が新しいリミットより大きい場合、リミットと同じ値に変更されます。マークの値が新しいリミットより大きい場合、マークの定義は破棄されます。

パラメータ:
newLimit - 新しいリミット値は、このバッファの容量以下の正の値でなければならない
戻り値:
このバッファ
例外:
IllegalArgumentException - newLimit の前提条件が満たされていない場合

mark

public final Buffer mark()
このバッファの現在位置にマークを設定します。

戻り値:
このバッファ

reset

public final Buffer reset()
バッファの位置を以前にマークした位置に戻します。

このメソッドを呼び出しても、マークの値は変更されません。マークが破棄されることもありません。

戻り値:
このバッファ
例外:
InvalidMarkException - マークが設定されていない場合

clear

public final Buffer clear()
このバッファをクリアします。バッファの位置は 0、リミットは容量の値に設定されます。マークは破棄されます。

このメソッドは、バッファを占有するチャネル読み込み操作 (put) を実行する前に呼び出します。以下に例を示します。

 buf.clear();     // Prepare buffer for reading
 in.read(buf);    // Read data

このメソッドは、バッファ内のデータを実際に消去するわけではありません。しかし、そうした状況で使用されることが多いため、クリア (clear) と命名されています。

戻り値:
このバッファ

flip

public final Buffer flip()
このバッファをフリップ (反転) します。リミットは現在位置の値に設定され、現在位置を表す値は 0 に設定されます。マークの定義は破棄されます。

チャネル読み込み操作 (put) のあと、このメソッドを呼び出してチャネル書き込み操作 (相対「get」) の準備を行います。以下に例を示します。

 buf.put(magic);    // Prepend header
 in.read(buf);      // Read data into rest of buffer
 buf.flip();        // Flip buffer
 out.write(buf);    // Write header + data to channel

ある場所から別の場所にデータを転送する際、このメソッドを compact メソッドと組み合わせて使用することがあります。

戻り値:
このバッファ

rewind

public final Buffer rewind()
このバッファをリワインド (巻き戻し) します。位置は 0 に設定され、マークは破棄されます。

このメソッドは、リミットを正しく設定したあと、チャネル書き込み操作 (get) の前に呼び出します。次に例を示します。

 out.write(buf);    // Write remaining data
 buf.rewind();      // Rewind buffer
 buf.get(array);    // Copy data into array

戻り値:
このバッファ

remaining

public final int remaining()
現在位置からリミットまでに存在する要素の数を返します。

戻り値:
このバッファ内に残っている要素数

hasRemaining

public final boolean hasRemaining()
現在位置からリミットまでに何らかの要素が存在するかどうかを判断します。

戻り値:
このバッファ内に要素が 1 個以上存在する場合にかぎり true

isReadOnly

public abstract boolean isReadOnly()
このバッファが読み込み専用であるかどうかを判断します。

戻り値:
このバッファが読み込み専用である場合にかぎり true

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バグの報告と機能のリクエスト
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