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2022年12月28日

ドラクエ1の「ド」

ドラクエ1がカタカナを削減していた話(「カタカナは20文字だけ」「没アイテムで宝箱がカラッポに」ファミコンハードの限界に挑んだ制作者たち - ねとらぼなど)は非常に有名です。ドラクエ1の背景テーブルの文字部分(左上です)を見ると、ねとらぼの記事に書かれていた通りカタカナは一部しか存在しません。


ドラゴンクエスト1の背景テーブル

さらに濁音や半濁音もありません。ドラクエ1の画面は1文字に2行使っていて、1行目は「濁点or半濁点」、2行目は「清音のかなorカナ」のように表示しているからです。


ドラゴンクエスト1の文字表示(1行につき背景キャラ2つ分を使う)

利点はもちろん濁音や半濁音をテーブルから排除できることです。欠点としては一度に表示できる行数が減ることですが、ひらがなばかりのメッセージ欄に読みやすい行間を作り出す手法として活用していて、素晴らしい工夫だと思います。

特別な濁点、半濁点

ドラゴンクエストはハードの限界に対する工夫にあふれていて本当に面白いですが、不思議な点も見受けられます。

1つ目の不思議な点は「名前用の濁点・半濁点」です。通常のメッセージ欄で使っている濁点・半濁点とは別に専用の濁点・半濁点が用意されています。不思議と言っておいてなんですが、これは理由が割と明確でUIデザインの都合だと思われます。


名前欄専用の濁点・半濁点

素人考えだと、メッセージ欄用の濁点・半濁点を再利用すればもっと背景テーブルを節約できる?と思いますが、実際にやってみると一発でダメなアイデアだとわかります。


名前用の濁点・半濁点の表示


メッセージ欄用の濁点・半濁点を使ったときの表示

無理やり再現するとこんな感じです。点が右下にきてしまいおかしいな表示になります。

特別な「ド」

2つ目の不思議な点は「ド」です。これは私が見た限りでは名前専用の濁音・半濁音と違って「ド」を特別扱いする強い理由が見当たりませんでした。「ド」とは何のことかというと、背景テーブルの「ラ」「ロ」の横にある「ド」です。2行下に「ト」があるため「ド」=「ト」+「゛」で表現できますが「ド」だけ特別扱いです。


濁音「ド」だけ特別に存在する

まず理由として思いつくのは、コマンド欄のUIデザインの都合です。コマンド欄は上に余裕がなく、メッセージ欄のように2行使って濁点を表現する方法は使えませんから、特別に文字を用意せざるをえなかった?という推測です。


コマンド欄

もっともらしいんですが、下記のように名前用の濁点を使えば「ド」=「ト」+「゛」に分解できます。頻繁に目にする部分であり、見た目が良くないから避けたのでしょうか?しかし同じくらい目にする名前欄は良いのにコマンド欄だけこだわる理由は?……どうも説得力に欠けます。


コマンド欄の「ド」を分解

もう1つ思いつくのは、後から「ト」を追加したが既に「ド」を使ってたくさんのメッセージを書いてしまい「ト」+「゛」への修正が(時間、手間的に)困難だったのでは?という理由です。「ミスキト」が別領域にあること、メッセージに使われている「ド」が「ト」+「゛」になっていない点からの推測です。


メッセージの「ゴ」は「コ」+「゛」、「ド」は特別(「ト」+「゛」ではない)

しかしこれも「ラダトーム」のように「ト」を使っている部分は既にあったはずなのに、「ド」だけ修正が困難だった?……というのはちょっと強引な気もしますね。正解は当時の開発に携わっていた人でないとわかりませんけどね。もしご存じの方は教えていただけると嬉しいです。

編集者:すずき(2023/01/03 00:04)

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2022年12月24日

サンタがマッハ1で街にやってくる(2022年)

目次: サンタ

去年(2021年12月24日の日記参照)と同様に、飛行機の位置をリアルタイムに表示するFlightradar24というサービス(サイトへのリンク)にてサンタが出現しました。クリスマス・イブの日にサンタが出現するのは毎年恒例のお約束演出です。

去年のサンタはおかしくて表示された対地速度は40ktsなのに、サンタの位置から計算した速度はマッハ2 = 1300ktsと変な状態でした。今年は対地速度の表示は727kts(1346.4km/h, マッハ1.1くらい)です。


23:49:35時点の位置(緯度22.2887度、経度88.8772度)


23:50:35時点の位置(緯度22.4296度、経度88.6613度)

去年同様、ある程度の時間をあけ(今回は1分間)でどれくらい進んだか計算します。今回も距離の計算には国土地理院のページを使いました、緯度経度から距離を一発で計算してくれて便利です(サイトへのリンク)。


緯度、経度から距離と方位角を計算(国土地理院のサイト)

2地点間の距離は約27.2km、時間差は60秒から計算すると、対地速度は約1,630km/hです。地上でのマッハ1.3(ただし、サンタが飛んでいる高さ38,000ftsだとマッハ数はもっと高く出る)です。今年はそんなにずれていないみたいです。改善されましたねw

去年のサンタさんは、実質マッハ2という現代戦闘機+アフターバーナー並みの猛烈な速度で飛んでいましたが、今年はマッハ1.3と大幅にスピードダウンしました。とはいえスーパークルーズ(音速以上の飛行)であり、戦闘機並みの飛行性能であることは変わりありませんね……。来年の速度も気になります。覚えていたらまた計算してみましょう。

編集者:すずき(2024/01/04 03:18)

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2022年12月22日

x86とARMとRISC-VでCoreMark対決

目次: RISC-V

CoreMarkを以前(2019年7月5日の日記参照)測りましたが、ARM系のGCCのバージョンを上げたのと、x86系と、RISC-V系のFU740の計測結果を追加しました。FU540の値は以前のままです。

  • AMD Ryzen 9 5900X / 3.4GHz Turbo 4.9GHz
  • AMD Ryzen 7 5700X / 3.4GHz Turbo 4.6GHz
  • AMD Ryzen 9 3950X / 3.5GHz Turbo 4.7GHz
  • Intel Core i5 8250U / 1.6GHz Turbo 3.4GHz
  • Intel Core i7 6700 / 3.4GHz Turbo 3.8GHz
  • Intel Pentium J4205 / 1.5GHz Turbo 2.6GHz
  • Amlogic A311D(Cortex-A73 / 2.2GHz x 4, Cortex-A53 / 1.8GHz x 2)
  • Rockchip RK3588(Cortex-A76 / 2.4GHz x 4, Cortex-A55 / 1.8GHz x 4)
  • Rockchip RK3399(Cortex-A72 / 1.8GHz x 2, Cortex-A53 / 1.4GHz x 4)
  • Rockchip RK3328(Cortex-A53 / 1.3GHz x 4)
  • Rockchip RK3288(Cortex-A17 / 1.8GHz x 4)
  • Broadcom BCM2837(Cortex-A53 / 1.2GHz x 4, 32bit mode)
  • StarFive JH7110(U74-MC / 1.5GHz x 4)
  • SiFive FU740(U74-MC / 1.2GHz x 4)
  • SiFive FU540(U54-MC / 1.0GHz x 4)
  • NSITEXE NS31A(NS31A / 25MHz x 1)

動作周波数については後述します。

測定条件と結果

コンパイル条件は下記の通りです。

  • Ryzen 9 5900X: GCC-9.4.0 O2
  • Ryzen 7 5700X: GCC-12.2.0 O2
  • Ryzen 9 3950X: GCC-7.5.0 Ofast
  • Core i7 6700: GCC-9.4.0 Ofast
  • Core i5 8250U: GCC-11.2.0 Ofast
  • Pentium J4205: GCC-10.2.1 Ofast
  • A311D: GCC-9.4.0 Ofast
  • RK3588, RK3399, RK3328: GCC-10.2.1 Ofast
  • RK3288: GCC-10.2.1 Ofast, 32bit
  • BCM2837: GCC-8.3.0 Ofast, 32bit
  • JH7110: GCC-11.3.0 Ofast
  • FU740: GCC-10.2.0 Ofast
  • FU540: GCC-8.3.0 Ofast
  • NS31A: GCC-12.2.0 Ofast

Ryzen 7はなぜかO2よりOfastの方が遅かった(O2: 41946, Ofast: 40442)ので、O2の結果を採用しました。RK3399はCA72とCA53の2種類のコアがあるので、taskset 0x1 ./coremarkのように実行するコアを固定して計測しています。

CoreMarkのIterations/Secの結果はCPUの動作周波数の影響を受けてしまうため、CPUの性能比較をする際はIterations/SecをCPU動作周波数で割った値を使うことが多いです。

SoC (x86)CPU/micro archIterations/SecGHzCoreMark/MHzBoard/Machine
Ryzen 9 5900XZen 3 44345.89800 4.79.435
Ryzen 7 5700XZen 3 42040.35874 4.69.139
Ryzen 9 3950XZen 2 36140.22407 4.58.031
Core i5 8250UCabylake R29237.62883 3.67.694ThinkPad E480
Core i7 6700 Skylake 26963.26256 3.87.489
Pentium J4205Goldmont 13319.12627 2.65.122
SoC (ARM)CPU/micro archIterations/SecGHzCoreMark/MHzBoard/Machine
A311D CA73 12491.41215 2.25.677Khadas VIM3
A311D CA53 5909.213000 1.83.282Khadas VIM3
RK3588 CA76 18228.21728 2.47.595Radxa ROCK 5B
RK3588 CA55 6745.983074 1.83.747Radxa ROCK 5B
RK3399 CA72 10218.15767 1.85.676Pine64 ROCKPro64
RK3399 CA53 4622.852300 1.43.302Pine64 ROCKPro64
RK3328 CA53 4215.259238 1.33.242Pine64 ROCK64
RK3288 CA17 8594.421439 1.84.774ASUS tinkerboard
BCM2837 CA53 3877.973113 1.23.231Raspberry Pi 3B
SoC (RISC-V)CPU/micro archIterations/SecGHzCoreMark/MHzBoard/Machine
JH7110 U74-MC 5324.298161 1.53.549StarFive VisionFive 2
FU740 U74-MC 4134.509372 1.23.445SiFive HiFive Unmatched
FU540 U54-MC 2255.130422 1.02.255SiFive HiFive Unleashed
NS31A NS31A 58.1641290.0252.326Local RAM, FPGA(Digilent Arty A7-100T, Xilinx Artix-7)

やはりx86系CPUの速さは圧倒的です。Ryzen 7は異次元の速さですし、ローエンド向けに思われがちなAtom系コアもARM Cortex-A72を圧倒しています。(12/28追記)Pentium J4205の動作周波数が間違っていた(1.5GHz → 2.6GHz)ので修正しました。

RISC-V勢はFU540(U54-MCコア)はかなり遅く、FU740(U74-MCコア)でやっとRK3328(Cortex-A53コア)などのSoCと並ぶくらいです。FU740を搭載したHiFive UnmatchedはPCと同じホームファクタのMini-ITXを採用しており、NVMe SSDやグラフィックカードが装着できる点などは非常に素晴らしいのですが……、PCの代わりに使用するとなると非力すぎて、RISC-V PCを名乗るにはまだ厳しそうですね。

CPU動作周波数の取得

LinuxでCPUの動作周波数を取得する方法は色々あって、イマイチ統一感がないですけれども、このベンチマークでは下記のようにしています。

  • x86系: /proc/cpuinfoのcpu MHz欄
  • ARM系: /sys/devices/system/cpu/cpuN/cpufreq/cpuinfo_cur_freq
  • RISC-V系: SoC次第

FU740の動作周波数はCore PLL(/sys/kernel/debug/clk/corepll/clk_rateの値 = 1196000000)から得ました。ARM系はCPU周波数が負荷に応じて変化するため、yes > /dev/nullなどを起動してCPUに負荷をかけた状態で見ています。

もし私が何か勘違いしていてCPU動作周波数を間違えているとどうなるかというと、Coremark/MHzが間違った値になります。Iteration/Secは変わりません。

編集者:すずき(2023/07/08 02:47)

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2022年12月17日

ブライトバンド

今日、東京や千葉で輪のような形で雨が降っていると教えてもらいました。本当だ……不思議な現象ですね。


降水量が輪の形になっている(松戸、取手、習志野の近辺)

この現象、調べてみると既に名前がついていて「ブライトバンド」と呼ぶそうです。かっこいい名前ですね。ブライトバンドについてはウェザーニュースの解説が非常にわかりやすかったです(参考: 秋田県の雨雲レーダーに映る 謎のドーナツ型の正体は? - ウェザーニュース)。

詳しくはぜひウェザーニュースの解説を読んでいただきたいですが、簡単に言えばレーダーが融解層(雪→雨に変わる部分)を捉えて過剰に反応している状態で、実際には強い雨が降っているとは限らないとのこと。

動かないブライトバンド、動いてしまう予報

ブライトバンドが出ているときに降水量の過去情報を見ると、ブライトバンドは出たり消えたりするだけで、その場からほとんど動かないことがわかります。


降水量が輪の形になっている(松戸、取手、習志野の近辺)


30分経っても移動しない(松戸、取手、習志野の近辺のまま、横浜の輪は消えた)

天気予報システムはブライトバンド=強い雨雲と解釈して予想をするようで、輪が他の雨雲とともに移動するような予報を出しています。気象の専門家ではないので「それが何か問題でも?」に対する答えは持ち合わせていませんが……。


1時間後の予報、輪が移動している(習志野の近辺が右に流れている)

ブライトバンドの付近での局所予報は少し食い違うかもしれませんが、過去情報と予報を見比べても特に破綻しているようには見えませんし、ブライトバンドを雨雲とみなそうが、無視しようが大勢に影響はないのでしょう。

編集者:すずき(2022/12/24 04:14)

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