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Zephyr OS で遊ぼう その 24 - SMP 対応 CPU コア数 4、マルチコアブート

目次: Zephyr を調べる - まとめリンク

CONFIG_SMP 有効、1コア、HART ID != 0 の動作確認をしました。以前書いたとおり、SMP 対応は下記の手順で進めていますので、再掲します。

  • SMP の前提条件、新しいコンテキストスイッチ方式に対応する(CONFIG_USE_SWITCH, CONFIG_USE_SWITCH_SUPPORTED)
  • SMP に対応する(CONFIG_SMP)、ただし CPU コア数は 1
  • 先頭ではないコア(mhartid != 0)で動作させる、ただし CPU コア数は 1
  • (今ここ)CPU コア数を 1以上にする(CONFIG_SMP)

現在 3番目の項目が終わったところです。いよいよ最後です。SMP 対応の本丸である、マルチコアブート、IPI の対応を進めます。

マルチコアブート(マスター側)

前回(2020年 10月 10日の日記参照)、空関数で実装した arch_start_cpu() を真面目に実装するときが来ました。HART 0 をマスターコア、それ以外をスレーブコアとします。マスターコアは arch_start_cpu() を呼びスレーブコアを 1つずつ起床します。

マルチコアブート(マスター側)、arch_start_cpu() の実装

// zephyr/kernel/smp.c

void z_smp_init(void)
{
	(void)atomic_clear(&start_flag);

#if defined(CONFIG_SMP) && (CONFIG_MP_NUM_CPUS > 1)
	for (int i = 1; i < CONFIG_MP_NUM_CPUS; i++) {
		arch_start_cpu(i, z_interrupt_stacks[i], CONFIG_ISR_STACK_SIZE,
			       smp_init_top, &start_flag);    //★スレーブコアの数だけ arch_start_cpu() を呼ぶ★
	}
#endif

	(void)atomic_set(&start_flag, 1);
}


// zephyr/arch/riscv/core/cpu_smp.c

static volatile struct {
	arch_cpustart_t fn;
	void *arg;
} riscv_cpu_cfg[CONFIG_MP_NUM_CPUS];

volatile uintptr_t riscv_init_flag;
volatile void *riscv_init_sp;

//★マスターコアが実行★
void arch_start_cpu(int cpu_num, k_thread_stack_t *stack, int sz,
		    arch_cpustart_t fn, void *arg)
{
	riscv_cpu_cfg[cpu_num].fn = fn;
	riscv_cpu_cfg[cpu_num].arg = arg;

	/* Signal to slave core with initial sp. */
	riscv_init_sp = Z_THREAD_STACK_BUFFER(stack) + sz;    //★スタックポインタの初期値★
	riscv_init_flag = cpu_num;                            //★スレーブコアを起床★

	/* Wait for slave core */
	while (riscv_init_flag == cpu_num) {    //★スレーブコアが起床するまでビジーウェイト★
		;
	}
}

引数の意味は CPU 番号 cpu_num、スタックの先頭アドレス stack 、スタックのサイズ sz、スレーブコアが実行する関数のポインタ fn、関数の引数 arg です。fn と arg は後でスレーブコアが使うので配列 riscv_cpu_cfg[] に保存します。

スタックポインタと CPU 番号はスレーブコアのブート部分で参照するので、グローバル変数に保存します。riscv_init_flag, riscv_init_sp は配列にしなくても上書きされる心配はありません。マスターコアはスレーブコアを一度に 1コアずつ起こすように実装するので、複数のスレーブコアが同時に同じスタックを使って異常動作する事態は発生し得ないからです。スレーブコア側の実装も見ていただければわかるはず、です。

マルチコアブート(スレーブ側)

リセット後、スレーブコアは一度に全コアが起動します。ブートコードの途中で、マスターコアから設定されるフラグを待つように実装します。下記コードでいえば boot_slave_core のところです

マルチコアブート(スレーブ側)、ブートコードの実装

SECTION_FUNC(TEXT, __initialize)
	/*
	 * This will boot master core, just halt other cores.
	 * Note: need to be updated for complete SMP support
	 */
	csrr a0, mhartid
	beqz a0, boot_master_core    //★HART 0 はマスターコア★

	li a1, CONFIG_MP_NUM_CPUS    //★CONFIG_MP_NUM_CPUS より小さい HART ID ならスレーブコア★
	blt a0, a1, boot_slave_core

loop_slave_core:    //★CONFIG_MP_NUM_CPUS 以上の HART ID があったら、wfi でスリープ状態にさせる★
	wfi
	j loop_slave_core
 
boot_slave_core:
	/* Wait for signal from master core */
	la t0, riscv_init_flag
	RV_OP_LOADREG t1, (t0)
	bne a0, t1, boot_slave_core    //★riscv_init_flag に自分の HART ID が設定されるまで待つ★

	/* Setup stack */
	la t1, riscv_init_sp
	RV_OP_LOADREG sp, (t1)     //★スタックポインタ初期化★

	/* Notify to master core */
	RV_OP_STOREREG x0, (t0)    //★マスターコアにブート完了を知らせる★

	j z_riscv_slave_start

...


// zephyr/arch/riscv/core/cpu_smp.c

//★スレーブコアが実行★
void z_riscv_slave_start(int cpu_num)
{
#if defined(CONFIG_RISCV_SOC_INTERRUPT_INIT)
	soc_interrupt_init();
#endif

	riscv_cpu_cfg[cpu_num].fn(riscv_cpu_cfg[cpu_num].arg);    //★arch_start_cpu() で指定された関数と引数★
}

スレーブコアは全てが同時に riscv_init_flag をチェックしますが、riscv_init_flag == 自身の HART ID と一致しない限り永久に待つため、flag チェック以降の処理に進むことはありません。この機構により同じスタックを 2つ以上のスレーブコアが同時に使ってしまうことを避けています。

以上で、マルチコアが動き始めました。続きは次回。

[編集者: すずき]
[更新: 2020年 10月 15日 01:49]

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