目次: GCC
前回(2020年7月7日の日記参照)はベクトルレジスタが選択されてしまう仕組みが何となくわかりました。
今回やりたかったことを復習しておくと「ベクトルの演算以外でベクトルレジスタを使わないでほしい」でした。つまりira_prohibited_class_mode_regs[cl][j] のうちベクトル以外のmachine modeかつベクトルレジスタに相当するビットを「セット」つまり割り当て禁止状態にすれば良いはずです。
配列の次元のうちclはレジスタのクラス(enum reg_class)で、jはmachine modeです。レジスタのクラスは以前(2020年3月28日の日記参照)ちょっとだけ使いました。幸いなことに、今回はレジスタのクラスは気にしなくて良いです、というかコードのif文の条件hard_regno_mode_ok(hard_regno, (machine_mode) j) を見るとわかるように、そもそもレジスタのクラスが渡されないので、ターゲット側(=RISC-V依存の実装部分)で何もできないです。
重要なのはmachine modeで、ベクトル以外のモード(浮動小数点など)だったらベクトルレジスタを割り当て禁止状態にすれば良いです。
// gcc/config/riscv/riscv.c
/* Implement TARGET_HARD_REGNO_MODE_OK. */
static bool
riscv_hard_regno_mode_ok (unsigned int regno, machine_mode mode)
{
unsigned int nregs = riscv_hard_regno_nregs (regno, mode);
if (GP_REG_P (regno))
{
if (!GP_REG_P (regno + nregs - 1))
return false;
}
else if (FP_REG_P (regno))
{
if (!FP_REG_P (regno + nregs - 1))
return false;
if (GET_MODE_CLASS (mode) != MODE_FLOAT
&& GET_MODE_CLASS (mode) != MODE_COMPLEX_FLOAT)
return false;
/* Only use callee-saved registers if a potential callee is guaranteed
to spill the requisite width. */
if (GET_MODE_UNIT_SIZE (mode) > UNITS_PER_FP_REG
|| (!call_used_or_fixed_reg_p (regno)
&& GET_MODE_UNIT_SIZE (mode) > UNITS_PER_FP_ARG))
return false;
}
else if (VP_REG_P (regno)) //★★前回足した実装
{
return true;
}
else
return false;
...
ここでベクトル系のmachine modeを直接記述(mode == V64SImodeなど)しても間違いではないと思うのですが、単純にモードがたくさんあると鬱陶しいですし、該当するモードがあとで増えたときの修正が大変です。こういうときはmachine modeのクラスが便利です。クラスってなんだったかというと、machmode.defやriscv-modes.defに書いたあれです。
// gcc/machmode.def
...
/* Basic integer modes. We go up to TI in generic code (128 bits).
TImode is needed here because the some front ends now genericly
support __int128. If the front ends decide to generically support
larger types, then corresponding modes must be added here. The
name OI is reserved for a 256-bit type (needed by some back ends).
*/
//★★MODE_INTクラスになる
INT_MODE (QI, 1);
INT_MODE (HI, 2);
INT_MODE (SI, 4);
INT_MODE (DI, 8);
INT_MODE (TI, 16);
...
// gcc/config/riscv/riscv-modes.def
//★★MODE_FLOATクラスになる
FLOAT_MODE (TF, 16, ieee_quad_format);
//★★以前、追加した実装
//★★VECTOR_MODEの場合は少し特殊で、MODE_VECTOR + 最初の引数 クラスになる
//★★この例だとMODE_VECTOR_INTになる
VECTOR_MODE (INT, SI, 32);
VECTOR_MODE (INT, SI, 64);
クラスは上記の通り各所の *.defにて定義されますが、正直言ってどこにあるかわかりにくいし、クラスの名前も見えません。machine modeとクラスの対応を確認するだけなら、ビルド時に生成されるinsn-modes.cを見たほうが早いです。
// build_gcc/insn-modes.c
const unsigned char mode_class[NUM_MACHINE_MODES] =
{
MODE_RANDOM, /* VOID */
MODE_RANDOM, /* BLK */
MODE_CC, /* CC */
MODE_INT, /* BI */
MODE_INT, /* QI */
MODE_INT, /* HI */
MODE_INT, /* SI */
MODE_INT, /* DI */
MODE_INT, /* TI */
MODE_FRACT, /* QQ */
MODE_FRACT, /* HQ */
MODE_FRACT, /* SQ */
MODE_FRACT, /* DQ */
MODE_FRACT, /* TQ */
MODE_UFRACT, /* UQQ */
MODE_UFRACT, /* UHQ */
MODE_UFRACT, /* USQ */
MODE_UFRACT, /* UDQ */
MODE_UFRACT, /* UTQ */
MODE_ACCUM, /* HA */
MODE_ACCUM, /* SA */
MODE_ACCUM, /* DA */
MODE_ACCUM, /* TA */
MODE_UACCUM, /* UHA */
MODE_UACCUM, /* USA */
MODE_UACCUM, /* UDA */
MODE_UACCUM, /* UTA */
MODE_FLOAT, /* SF */
MODE_FLOAT, /* DF */
MODE_FLOAT, /* TF */
...
MODE_COMPLEX_FLOAT, /* SC */
MODE_COMPLEX_FLOAT, /* DC */
MODE_COMPLEX_FLOAT, /* TC */
MODE_VECTOR_INT, /* V32SI */
MODE_VECTOR_INT, /* V64SI */
};
ベクトル系のmachine modeを引っ掛けるにはMODE_VECTOR_INTを使えば良さそうです。今の実装では使っていませんがRISC-Vのベクトルは浮動小数点のベクトル(MODE_VECTOR_FLOAT)も扱えるはずなので、これも条件に追加しておきましょう。
// gcc/config/riscv/riscv.c
/* Implement TARGET_HARD_REGNO_MODE_OK. */
static bool
riscv_hard_regno_mode_ok (unsigned int regno, machine_mode mode)
{
unsigned int nregs = riscv_hard_regno_nregs (regno, mode);
if (GP_REG_P (regno))
{
if (!GP_REG_P (regno + nregs - 1))
return false;
}
else if (FP_REG_P (regno))
{
if (!FP_REG_P (regno + nregs - 1))
return false;
if (GET_MODE_CLASS (mode) != MODE_FLOAT
&& GET_MODE_CLASS (mode) != MODE_COMPLEX_FLOAT)
return false;
/* Only use callee-saved registers if a potential callee is guaranteed
to spill the requisite width. */
if (GET_MODE_UNIT_SIZE (mode) > UNITS_PER_FP_REG
|| (!call_used_or_fixed_reg_p (regno)
&& GET_MODE_UNIT_SIZE (mode) > UNITS_PER_FP_ARG))
return false;
}
else if (VP_REG_P (regno)) //★★前回足した実装
{
if (GET_MODE_CLASS (mode) != MODE_VECTOR_INT
&& GET_MODE_CLASS (mode) != MODE_VECTOR_FLOAT) //★★今回足した実装
return false;
return true;
}
else
return false;
...
修正後のコンパイラは浮動小数点数を60個使うコードを正常にコンパイルできます。たったこの3行を説明するだけで、えらい時間を費やしました。GCCは魔界ですね。
お気づきの方もいるかと思いますが、実は1つ上のelse if節にほぼ全く同じ判定文が既にあります。何も考えずに上からパクってMODEの名前を書き換えれば、今回の問題は直るんですけど、それだとどうして直るのか全くわからないんですよ……。
目次: Windows
前回(2020年6月29日の日記参照)、ノートPCの発熱を抑えるためにCPUのクロック上限を抑える設定をしました。
前回はTurboBoostだけ無効化する方法がわかりませんでしたが、ググっていたら割と簡単にTurboBoostを無効化できることがわかりました。
レジストリエディタで、
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00\be337238-0d82-4146-a960-4f3749d470c7
のAttributesというDWORD値を1から0 or 2に変更します(※)。
すると下記の「プロセッサ パフォーマンスの向上モード」オプションが出現しますので、無効を選択します。
TurboBoostを無効化すると、最大のプロセッサの状態を100% にしても、ベース周波数の1.6GHzまでしか周波数が上がらなくなります。これは良い感じだ。
(※)私はSurface ProでCPUクロックが最大に張り付くという問題(フォーラムへのリンク)の解決策に載っていたものを見つけたのですが、どうも昔のWindows 8で消えた設定らしい(ASCII.jp : Windows 8.1で消えた詳細な電源管理項目を表示する!より)です。
目次: ゲーム
最近Steamで買った、MAD Tower Tycoon(開発: Eggcode)で遊んでいます。
ビル建築&経営シミュレーションゲームです。プレイヤーはビルを拡張していって、テナントや住居を作ります。テナントには住人やゲストが押し寄せてきますので、住人のストレスを溜めないように、メンテナンス施設を足したり、階段、エスカレーター、エレベーターでうまく捌き、儲けを出して、ビルをさらに拡張させるというゲームです。
ビル建築&経営シミュレーションの名作はThe Tower(開発: OPeNBooK)だと思います。The Towerは続編が出なくなって久しく寂しかったですが、MAD Tower TycoonはかなりThe Towerに近い作りです。
後追いだけあって基本的にThe Towerより良くなっていますが、残念な部分もあって、
難易度は最近の風潮で優しめだとしても、最後のエレベーターの劣化は残念です。
エレベーターはThe Towerのキモで、説明書でも詳しく説明していました。MAD Tower Tycoonのエレベーターの場合は、
特に後者の制限が厳しくて、ゾーン方式(※)エレベーターが実質建設不可能で、高層ビルを作るには厳しい仕様となっています。
(※)エレベーターを複数基用意して、1つ目は1〜5階のみ、2つ目は5〜10階のみなど、一部の階しか止まらないエレベーターを作る方式のことです。現実でも高層ビルでよく見かけます。
バグなのか仕様なのかわからないですが、MAD Tower Tycoonではバルコニーでフロアをぶち抜いて、スカイブリッジを作ると、どことも繋がらない孤立したフロアを作れます。
孤立したフロアにエレベーターだけを設置することで、実質的に乗車降車禁止階にできます。
ところがこの乗車降車禁止エレベータを作っても、なぜか住人は一切利用してくれません。訳が分かりません。どうしたら良いんでしょうか??
The Tower開発元のOPeNBooKは合併と名前変更を繰り返しています。合併相手は9003, incで、AQUAZONEという熱帯魚育成&水槽シミュレーションで名を馳せたベンダーです。
1993 2000 OPeNBooK ---, 1996 ,--> オープンブック(The Towerの版権を持つ) +--> オープンブック9003 ---+--> シノミクス 9003, inc ---' 1990
Wikipediaを見るとこんな経歴でした。お互い、元の鞘に収まったという感じがします。合併したけどやることがなかったんですかね?
目次: STATIONflow
STATIONflowの実績をコンプリートしました。「ラッキーセブン」と「東京」は自動化マクロを組まないと取れませんでした。
本来、このゲームにハマって色々なマップをずっと遊んでいたらいつのまにか取れていた、というタイプの実績ですが、申し訳ないことに、私はそこまでの情熱がなかったです。
ゲームやったらわかりますけど、この2つの実績だけ条件設定が異常すぎます。
実績の条件(総利用者数700万人、1,390万人)がいかに異常かがわかると思います。
自動化の方法は簡単で、PowerShellでEnterキーを3秒に1回送るマクロを組んで、会社行っている間や夜間に放置するだけです。2週間くらいで取れました。
STATIONflowは放置しても悪いイベントが起きない(=駅が壊れない)優しい仕様になっているため、自動化+放置が可能でしたが、他のシミュレーションゲームだと偶発的に悪いイベントが起きるため、この方法は使えません。
まあ、明らかに製作者の想定した取り方ではないし、こんな方法で実績取っても嬉しくないし、無理に実績取るのは今後はやめておきます。
目次: ゲーム
MAD Tower Tycoonでゾーン方式のエレベータの作り方を悩んで色々やっていたら、いつのまにかレベル100、実績コンプリートしていました。ゲーム内時間は表示されないので詳しくはわかりませんが、おそらく700日くらい?
The Towerと比べて色々思うところはありますが、総合的にみれば面白いと思います。
序盤だけ金欠になりやすいですが、難易度はかなり低めですし、ビル建築シミュレーション初めての方にオススメしたいゲームです。
MAD Tower Tycoonは住人を追尾する機能があり、ビルの住人が困っていないか把握するのに便利です。基本的には目的地に行って、家に帰る(住人の場合)、もしくはビルから出る(ゲストの場合)だけですけど、大きなビルを作ると変な行動が目立ちます。
前回(2020年7月10日の日記参照)も書きましたが、MAD Tower Tycoonはゾーン方式のエレベーターを作る方法がわかりません。今はメンテナンス施設の射程(上下6Fに効果がある)の関係で、7階+8階(※)おきに乗り換え階を作っています。
どうもこの方式だと40階くらいで限界っぽいです。乗り換えに時間が掛かりすぎて、目的地に行くだけで半日費やしている気の毒な住民がいます。彼らはなぜか不満は言いませんが、見ていると不憫です……。
救いとしてはMAD Tower Tycoonはビルの横幅がめちゃくちゃ広く取れるので、45階もあれば、レベル100、五つ星ビルが余裕で作れることです。だけど、やっぱりThe Towerにあやかるなら、100階建て目指したいですよね?
(※)効率重視ならば7F, 14F乗り換えが最適ですが、スカイロビーを作成できるのは15Fからなので、あえて14Fを空きフロアにして、15F乗り換えにしています。
MAD Tower Tycoonは、The Towerとかなり似ているがゆえに、つい比較してしまいます。
良いところ
悪いところ
ゾーン方式のエレベーターが作れたら、高層ビルに効率的に人を運べるようになって、もっと面白くなるはずなのに。もったいないよ〜。
目次: OpenCL
OpenCLは複数のベンダーのデバイスを同時に扱うことができます。ICD(Installable Client Driver)というそうです。ICDはGPUなどのデバイスを制御し、アプリケーションとICDの間にICDローダーが存在します。
Debian TestingではICDローダーとしてocl-icd-2.2.12が使われています。
$ apt-cache search ocl-icd-libopencl1 ocl-icd-libopencl1 - Generic OpenCL ICD Loader
ローダーのソースコードはGitHub(リンク)にあります。
先程、図示したもの以外にもICDはいくつか実装があります。現時点のDebian Testingでは下記が提供されていました。
IntelはICDのソースコードを完全にオープンにしています。NVIDIAは公開していません。AMDもないのかな?
動作を追ってみたいと思います。アプリケーションにはclinfoを使います。ocl-icdは環境変数OCL_ICD_DEBUG=15に設定すると、動作時に詳細なログを出力します。デバッガで追うのと併用するとわかりやすいです。
ローダーが走査するディレクトリは /etc/OpenCL/vendorsがハードコードされていますが、環境変数OPENCL_VENDOR_PATHで変更できます。
ICDのロードの中心となる処理は _find_and_check_platforms() です。
プラットフォームは説明が難しいですが、OpenCL APIの実体+任意のドライバ固有のデータとでも言いましょうか。変数の型はcl_platform_id * 型です。cl_platform_idは少なくとも先頭のメンバはstruct _cl_icd_dispatch *dispatchでなければなりません。dispatchの後ろには他の情報が入っていても問題ないようです。
// ocl-icd/ocl_icd_loader.c
static inline void _find_and_check_platforms(cl_uint num_icds) {
cl_uint i;
...
cl_platform_id *platforms = (cl_platform_id *) malloc( sizeof(cl_platform_id) * num_platforms);
error = (*plt_fn_ptr)(num_platforms, platforms, NULL);
...
for(j=0; j<num_platforms; j++) {
debug(D_LOG, "Checking platform %i", j);
struct platform_icd *p=&_picds[_num_picds];
char *param_value=NULL;
p->extension_suffix=NULL;
p->vicd=&_icds[i];
p->pid=platforms[j]; //★★pid = platform IDのことらしい
/* If clGetPlatformInfo is not exported and we are here, it
* means that OCL_ICD_ASSUME_ICD_EXTENSION. Si we try to take it
* from the dispatch * table. If that fails too, we have to
* bail.
*/
if (plt_info_ptr == NULL) {
plt_info_ptr = p->pid->dispatch->clGetPlatformInfo; //★★dispatchメンバが存在することを前提としている
// ocl-icd/khronos-headers/CL/cl.h
typedef struct _cl_platform_id * cl_platform_id;
// ocl-icd/(build-dir)/ocl_icd_loader_gen.h
struct _cl_platform_id { struct _cl_icd_dispatch *dispatch; }; //★★dispatch以外は特に規定がなさそう
// ocl-icd/(build-dir)/ocl_icd.h
struct _cl_icd_dispatch {
#ifdef CL_VERSION_1_0
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL*clGetPlatformIDs)(
cl_uint /* num_entries */,
cl_platform_id * /* platforms */,
cl_uint * /* num_platforms */
) CL_API_SUFFIX__VERSION_1_0;
#else
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL* clUnknown0)(void);
#endif
#ifdef CL_VERSION_1_0
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL*
clGetPlatformInfo)(
cl_platform_id /* platform */,
cl_platform_info /* param_name */,
size_t /* param_value_size */,
void * /* param_value */,
size_t * /* param_value_size_ret */
) CL_API_SUFFIX__VERSION_1_0;
#else
CL_API_ENTRY cl_int (CL_API_CALL* clUnknown1)(void);
#endif
...
//★★こんな調子で関数ポインタの定義が延々と続く
先頭のdispatchはたくさんの関数ポインタが並んだ巨大な構造体です。アプリケーションから見るとOpenCLのAPIはocl-icdが提供しているように見えますが、ocl-icdのAPI実装はdispatchの関数ポインタを呼ぶラッパー関数であり、関数ポインタと、OpenCL API実装の本体を提供するのは各ICDの役割です。
目次: GCC
GCCには自動ベクトル化(tree-vectorize)機能があります。ループ処理を自動的にSIMD命令に置き換えるために使われているようです。現状のGCCが可変長のベクトル長に対応しているかどうかはわかりません。未対応ならば可変長のベクトル長に対応する実装が必要になりますが、非常に難しそうです。
可変長のベクトルの扱いはひとまず横に置くとして、RISC-Vのベクトルを「とても長い固定長のSIMD」とみなして自動ベクトル化を動かします。
// gcc/config/riscv/riscv.c
/* Implement TARGET_VECTORIZE_AUTOVECTORIZE_VECTOR_MODES. */
static unsigned int
riscv_autovectorize_vector_modes (vector_modes *modes, bool)
{
if (TARGET_VECTOR)
{
modes->safe_push (V64SImode);
modes->safe_push (V32SImode);
}
return 0;
}
...
#undef TARGET_VECTORIZE_AUTOVECTORIZE_VECTOR_MODES
#define TARGET_VECTORIZE_AUTOVECTORIZE_VECTOR_MODES riscv_autovectorize_vector_modes
自動ベクトル化を有効にする方法は簡単で、これだけです。
void *cpy(void *dst, const void *src, int n)
{
int *d = dst;
const int *s = src;
int i;
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
d[i] = s[i];
}
return dst;
}
この関数がベクトル化あり、なしでどのように変わるか見ます。
//★★自動ベクトル化、あり
d[i] = s[i];
100b8: 1202e007 vlw.v v0,(t0)
100bc: 10038393 addi t2,t2,256
100c0: f0038793 addi a5,t2,-256
100c4: 10028293 addi t0,t0,256
100c8: 0207e027 vsw.v v0,(a5)
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
100cc: fee296e3 bne t0,a4,100b8 <cpy+0x44>
100d0: 00661293 slli t0,a2,0x6
100d4: 02568963 beq a3,t0,10106 <cpy+0x92>
100d8: 959a add a1,a1,t1
100da: 932a add t1,t1,a0
d[i] = s[i];
100dc: 0005a383 lw t2,0(a1)
//★★自動ベクトル化、なし
d[i] = s[i];
10080: 0005a303 lw t1,0(a1)
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
10084: 0591 addi a1,a1,4
10086: 0291 addi t0,t0,4
d[i] = s[i];
10088: fe62ae23 sw t1,-4(t0)
for (i = 0; i < n / sizeof(*d); i++) {
1008c: fe759ae3 bne a1,t2,10080 <cpy+0xc>
}
return dst;
}
10090: 8082 ret
ソースコードではベクトル型を使っていませんが、自動ベクトル化により256バイト(=64要素)ずつ処理され、vlw.v, vsw.v命令が使われるようになったことがわかります。
< | 2020 | > | ||||
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日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | - |
合計:
本日:
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