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GCC を調べる - その 8-2 - レジスタとレジスタクラス

レジスタ追加の変更の要は REG_CLASS_CONTENTS です。このマクロは 32ビット整数の配列で、各レジスタ番号がどのレジスタの仲間(enum reg_class)に属するかを指定するテーブルです。こんな風に変更します。

REG_CLASS_CONTENTS の変更内容

 #define REG_CLASS_CONTENTS						\
 {									\
-  { 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000 },	/* NO_REGS */		\
-  { 0xf003fcc0, 0x00000000, 0x00000000 },	/* SIBCALL_REGS */	\
-  { 0xffffffc0, 0x00000000, 0x00000000 },	/* JALR_REGS */		\
-  { 0xffffffff, 0x00000000, 0x00000000 },	/* GR_REGS */		\
-  { 0x00000000, 0xffffffff, 0x00000000 },	/* FP_REGS */		\
-  { 0x00000000, 0x00000000, 0x00000003 },	/* FRAME_REGS */	\
-  { 0xffffffff, 0xffffffff, 0x00000003 }	/* ALL_REGS */		\
+  { 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000 },	/* NO_REGS */		\
+  { 0xf003fcc0, 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000 },	/* SIBCALL_REGS */	\
+  { 0xffffffc0, 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000 },	/* JALR_REGS */		\
+  { 0xffffffff, 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000 },	/* GR_REGS */		\
+  { 0x00000000, 0xffffffff, 0x00000000, 0x00000000 },	/* FP_REGS */		\
+  { 0x00000000, 0x00000000, 0xffffffff, 0x00000000 },	/* VP_REGS */		\
+  { 0x00000000, 0x00000000, 0x00000000, 0x00000003 },	/* FRAME_REGS */	\
+  { 0xffffffff, 0xffffffff, 0xffffffff, 0x00000003 }	/* ALL_REGS */		\
 }
                              ↑ここの 3列目を足した

行方向は、ビットフィールドになっており非常にわかりにくいです。0要素目の 0ビット目、0要素目の 1ビット目、…という順に見ます。整数内では右から左(右が上位ビット)、要素間では左から右(左が 0要素目)に見ます。

列方向は enum reg_class の整数値と一致しますのでさほど難しくはないでしょう。

REG_CLASS_CONTENTS の見方
行と列の意味

  →→ 行方向、レジスタ番号(0 〜 FIRST_PSEUDO_REGISTER - 1 まで)
↓
↓
列方向、enum reg_class を整数に直したもの


行方向の見方

例えば 3行目(GR_REGS)がこうなっていたとすると、
{ 0x0000000f, 0x0000000c, },

- 0要素目(レジスタ番号 0 〜 31 のクラス): 0x0000000f
  - 0, 1, 2, 3ビット目が 1 = レジスタ番号 0 〜 3 は GR_REGS
  - 他のレジスタについては言及しない
- 1要素目(レジスタ番号 32 〜 63 のクラス): 0x0000000c
  - 2, 3ビット目が 1 = レジスタ番号 34 〜 35 は GR_REGS
  - 他のレジスタについては言及しない

ALL_REGS は全レジスタに 1 をセットしますので、ビットフィールドのルールがわかりやすいと思います。今回はレジスタが 98本なので、3要素(32 * 3 = 96)+ 最後の要素は 2ビット分だけ 1 にセットしています。

今回は VR_REGS という新たなレジスタクラスを足したいので、行が一つ増えます。レジスタの総数も増えるので、列方向も増えます。ちょうど良いことに新規に追加するレジスタは 32本なので、整数 1要素分を増やすだけです。

コード上での扱い

このマクロは直接使用されるわけではなく、別の配列にコピーされます。

REG_CLASS_CONTENTS が使われているところ

// gcc/reginfo.c

static const unsigned int_reg_class_contents[N_REG_CLASSES][N_REG_INTS]
  = REG_CLASS_CONTENTS;

...

/* Function called only once per target_globals to initialize the
   target_hard_regs structure.  Once this is done, various switches
   may override.  */
void
init_reg_sets (void)
{
  int i, j;

  /* First copy the register information from the initial int form into
     the regsets.  */

  for (i = 0; i < N_REG_CLASSES; i++)
    {
      CLEAR_HARD_REG_SET (reg_class_contents[i]);

      /* Note that we hard-code 32 here, not HOST_BITS_PER_INT.  */
      for (j = 0; j < FIRST_PSEUDO_REGISTER; j++)
	if (int_reg_class_contents[i][j / 32]    //★★ここで参照している
	    & ((unsigned) 1 << (j % 32)))
	  SET_HARD_REG_BIT (reg_class_contents[i], j);
    }


// gcc/reginfo.c

struct target_hard_regs default_target_hard_regs;


// gcc/hard-reg-set.h

#if SWITCHABLE_TARGET  //★★x86, ARM, MIPS などは SWITCHABLE_TARGET = 1, RISC-V は 0 のようだ
extern struct target_hard_regs *this_target_hard_regs;
#else
#define this_target_hard_regs (&default_target_hard_regs)
#endif

#define reg_class_contents \r  (this_target_hard_regs->x_reg_class_contents)

難しそうに見えてやっていることは int_reg_class_contents から default_target_hard_regs->x_reg_class_contents へビットを移し替えているだけです。違いは int_reg_class_contents が必ず 32ビット幅であるのに対し、x_reg_class_contents はアーキテクチャ最速の整数幅(x86_64 なら 64bit になるでしょう)である点です。

個人的には可読性を殺してまでやる意味あるの……?と疑問ですが、きっと GCC 内で頻繁に呼ばれ速度的に重要なポイントだったのでしょう。

[編集者: すずき]
[更新: 2020年 4月 1日 21:16]

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GCC を調べる - その 8-1 - レジスタ定義を足す

前回(2020年 3月 6日の日記参照)はレジスタ制約(register_constraints)を追加しました。これだけでは何もできませんので、今回はベクトルレジスタの定義を追加してみます。長そうなので分割して書きます。

RISC-V には汎用レジスタ(GP_REGS)と浮動小数点レジスタ(FP_REGS)が既に定義されているため、それらを参考にします。

変更するファイルは gcc/config/riscv/riscv.c, riscv.h です。FP_REG くらいで検索すると、下記の関数、マクロに名前が見当たりますので、真似して追加します。(詳細はlink パッチファイルもご覧ください、内容の正しさは全く保証できませんけど)

レジスタ定義を追加する際に変更する箇所

// gcc/config/riscv/riscv.c

riscv_regno_to_class[FIRST_PSEUDO_REGISTER]  //32個レジスタを足す
riscv_hard_regno_nregs    //どのマシンモードでもレジスタを 1つだけ使う、よくわからん、また今度調べる
riscv_hard_regno_mode_ok  //どのマシンモードでも許可する、よくわからん、また今度調べる
riscv_class_max_nregs     //どのクラスでもレジスタを 1つだけ使う、よくわからん、また今度調べる


// gcc/config/riscv/riscv.h

FIRST_PSEUDO_REGISTER  //32個分ずれてもらう
FIXED_REGISTERS        //32個足す、今回は 0 にした、固定された役目(スタックポインタなど)はない
CALL_USED_REGISTERS    //32個足す、今回は 0 にした(関数呼び出しにより内容を破壊されない、s0 - s11 と同じ扱い)

enum reg_class
#define REG_CLASS_NAMES     //新たなレジスタクラスを足す
#define REG_CLASS_CONTENTS  //後述する
#define REG_ALLOC_ORDER	    //レジスタの割当順、レジスタ番号で指定する
#define REGISTER_NAMES      //レジスタの名前
#define ADDITIONAL_REGISTER_NAMES

初歩の初歩的な変更の割に必要な変更点はかなり多いです。どの変更が何に効くか完全にわかっていないので、合っているかわかりませんし、説明し難い変更もあります。後日、要調査ですね。

GCC の 2つのレジスタ

変更した中の riscv_regno_to_class をみると FIRST_PSEUDO_REGISTER というマクロが出てきます。GCC はレジスタを 2種類使い分けていて、レジスタ番号で区別できます。

  • 物理レジスタ: 0 〜 (FIRST_PSEUDO_REGISTER - 1)
  • 疑似レジスタ(pseudo register): FIRST_PSEUDO_REGISTER より大きな値

正式な名前がわからない(※)ので、名付けは適当です。GCC は RTL のフェーズで命令の引数にレジスタを割り当てます。その際、いきなりメモリや物理レジスタを割り当てるのではなく、まず疑似レジスタを割り当てます。

疑似レジスタには数の制限がないので、最初の方の最適化パスで必要なだけ割り当てます。その後の最適化パスで物理レジスタや、メモリにうまく割り当てを考える二段構成になっています。

今回は 32個の物理レジスタを足そうとしているので、FIRST_PSEUDO_REGISTER にも 32個分だけズレてもらう必要があります。

今回の変更の要は REG_CLASS_CONTENTS です。このマクロの効き目についてはまた今度。

(※)GCC のヘンテコなマクロの意味を調べる際、GCC Internals(HTML 版へのリンク)が大変参考になるのですが、この文書は用語の説明がイマイチ甘くて、正式な用語がわかりません。いつも困ります……。

[編集者: すずき]
[更新: 2020年 4月 29日 16:10]

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ナンバープレート変更

引っ越してから 1年もの間、車検証の住所変更をせずにほったらかしていました(本当は良くない)が、重い腰を上げ、大阪ナンバーにお別れを告げて、品川ナンバーになりました。

手続きに興味があったので、あえてディーラーにお任せせず自分でやってみました。面白かったですが相当面倒くさいです。もう自分でやることはないでしょうね。

手続きの概要

今回は「変更登録」という手続きをしました。車検証の住所変更&ナンバープレートの変更です。他県から東京都に引っ越した人が該当します。手続きはざっくりいうと、

  • 警察(車庫証明)1回目
  • (3日〜1週間後)
  • 警察(車庫証明)2回目
  • 市役所(住民票)1回
  • 陸運局(車検証)1回

どうがんばって圧縮しても、平日を 2回消費します。普通は警察、警察、陸運局、の 3回消費すると思います。警察も陸運局も平日しか受け付けしていないので、勤め人にはなかなか辛いです。

詳細な手続き

興味のある人は居なさそうですが、メモ代わりに書いておきます。まずは車庫証明用の書類が必要です。

  • (借家の場合)大家さんに「保管場所使用承諾証明書」を書いてもらう
  • 自分で「自動車保管場所証明申請書」を書く
  • 自分で「保管場所標章交付申請書」を書く
  • 自分で「保管場所の所在図・配置図」を書く

ここまでの書類は全部の警視庁のサイト(保管場所証明申請手続 - 警視庁)からゲットできます。

管轄の警察
上記の「4つの書類」を出して「領収証書」を貰います。「何月何日にもう一回来てね」と教えてくれます。
私の場合は「蒲田警察署」でした。それと金額は忘れましたが、収入印紙を買う必要があります。その場で手に入るので、財布だけあれば特に準備不要です。
管轄の警察
「領収証書」を渡すと「車庫証明」を貰います。私は 3日後でしたが、場合によるらしくだいたい 3日〜1週間後みたいです。
市役所
「住民票」を貰います。窓口に行ってお金払うとくれます。
運輸局(陸運局)に「車で」行く
私の場合は「関東運輸局 東京運輸支局」でした。鮫洲にあります。免許センターの隣と言った方がわかるかも。
超大事なことなのですが、ナンバープレートを交換しなければならないので、車で行きましょう、でないと窓口で追い返されます。
国土交通省のサイトにある「2号様式」が申請書類です(自動車:OCR 申請書各種様式について - 国土交通省)が、正直訳わかんないです。書類は事前に書きましたが、事前相談の窓口でめっちゃ直されました。
運輸局
「2号様式」と「車庫証明(警察でもらう)」と「住民票」と「古い車検証」を出すと「新たな車検証」と「スタンプが押された紙」がもらえます。
古い車検証は没収されます。次は自動車税事務所に行ってねと言われます。建物は隣接しているので楽です。
自動車税事務所
「変更登録の書類」と「スタンプが押された紙」を出すと、スタンプが増えて帰ってきます。
書類は事務所内にあります。旧住所を聞かれますので、どこかにメモしておいた方がいいかも。思い出せる人は問題ないです。
運輸局
「古いナンバー」と「新しい車検証」と「スタンプが押された紙」を出すと「新しいナンバー」をくれます。
関東運輸局は「自分でナンバーを交換する」方式みたいで、自分でナンバーの封印を破壊するのはなかなか出来ない体験です。工具は普通のドライバーです、運輸局で貸してくれます。
ナンバーの封印は思ったよりもヘナヘナしていて、あっさり壊れました。慣れている人は数秒で壊せそうでした。
運輸局
「新しいナンバー」と「車」を運輸局の建物の前に持っていくと「ナンバーの封印」と「新しい車検証」をくれます。
車体番号見るのでボンネット開けてくれっていわれます。封印はおっちゃんが付けてくれます。

ナンバーの封印を付けてもらったら、そのまま車で運輸局からおさらばです。

感想

やってみた感想は「RPG のクエストみたい」です。書類と書類を交換していくと、最後に車検証とナンバープレートが貰えます、みたいな感じですね。車のナンバー(と自動車税)管理の一環が垣間見えて、なかなか面白い社会科見学でした。

個人的にはナンバープレートの封印を破壊するのは、普段やらない体験で「え?自分で壊すの??」と緊張しました(関東運輸局だけセルフで、他地域ではやらないみたいです)。私の車は粗雑に扱っているせいなのか、フロント側のナンバーのネジが錆びて固着しており、あやうくネジをなめそうでした。次はもう外せないかもしれない。

昨今のコロナ騒ぎのせいか、いずれの窓口もガラッガラに空いていて快適でした。混んでいたら地獄だったと思います。

[編集者: すずき]
[更新: 2020年 4月 1日 13:05]

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