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作業スペース

現在住んでいる家には私の作業部屋がないので、リビングの食事するテーブルで、RockPro64 などのボードとオシロスコープとノート PC を置いて波形を見ています。

リビングのテーブルは広くて色々置けるものの、食事するときは邪魔なので撤去する必要があります。場合によって機材や配線の再セットアップが発生するのが難点です。あと、水が掛かる可能性があり、精密機械(オシロスコープとか)を置くには適していない気がしますが、他に置く場所もありません。

最近は、作業の中断から再開までの時間を短縮するため、リモートで作業するようにしています。ノート PC はリモートアクセス端末として使い、メイン PC にリモートアクセスして作業しています。ノート PC のネットワークを切ったり、シャットダウンしたりしても、メイン PC の開発、解析の環境はそのまま保持されますから、すぐに作業に復帰できるという寸法です。

ソフトウェアの開発をするなら十分な環境ですが、RockPro64 の UART 出力を解析したときのようにオシロスコープが必要になってくると、リモートアクセスだけではうまくいきません。今のところ、オシロスコープを常用することはないので問題はありませんが、今後必要になったときはもう一工夫いりますね……。

[編集者: すずき]
[更新: 2019年 3月 2日 23:34]
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RISC-V 64 向け Linux 開発環境の構築

以前 AArch64 向けに開発環境を構築しました(その 1その 2)。今回は流行りの RISC-V に対して作成してみます。

全く違うアーキテクチャですが、AArch64 向けと同じツール、ほぼ同じ手順が使えます。ツールを整備してくれた開発者の皆様には感謝の極みです。

  • クロスコンパイラ: crosstool-NG
  • ブートローダ: riscv-pk
  • カーネル: linux-next
  • ルートファイルシステム: busybox + 手作業
  • エミュレータ: qemu

さっと動かしてみたかったので、前回との変化点としては buildroot を使わず、busybox のみの最小環境を作成しています。buildroot は後日チャレンジしたいと思います。

クロスコンパイラ

Crosstool-NG の ct-ng のビルド方法は前回と全く同じ(2018年 7月 15日の日記を参照)なので、割愛します。

crosstool-NG ビルド
$ ./ct-ng menuconfig
- Paths and misc options  --->
    [ ] Try features marked as EXPERIMENTAL
      選択する

- Target options  --->
  Target Architecture (alpha)  --->
    riscv に変更する

  [ ] Use the MMU
    選択する

  Bitness: (32-bit)  --->
    64-bit に変更する

- Operating System  --->
    Target OS (bare-metal)  --->
      linux に変更する

- C-library  --->
    C library (musl)  --->
      glibc に変更する


$ ./ct-ng build
[00:34] /

設定も AArch64 のときと大体同じですが、大きな違いは EXPERIMENTAL を有効にする点です。通常は Target Architecture の選択肢に RISC-V が存在しません。

また、現時点だと 32bit 版はビルドエラーになるようなので、64bit 版を選択しています。

カーネル

AArch64 のビルドとほぼ同じです。

linux-next コード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone git://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/next/linux-next.git
$ cd linux-next

$ export ARCH=riscv
$ export CROSS_COMPILE=riscv64-unknown-linux-gnu-

$ make defconfig

$ make all

ビルドが成功するとソースコードのトップディレクトリに vmlinux が生成されるはずです。

ブートローダ

AArch64 では qemu の -kernel オプションに Image ファイルを渡せば起動しましたが、RISC-V では Image ファイルを渡してもエラーになり起動しません。

調べてみると、qemu で RISC-V 向けの Linux を動作させるには、Image ではなくブートローダ付きの vmlinux を渡してあげる必要があるみたいです。

ブートローダ riscv-pk コード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone https://github.com/riscv/riscv-pk
$ cd riscv-pk

$ mkdir build
$ cd build

$ ../configure --enable-logo --host=riscv64-unknown-linux-gnu --with-payload=../linux-next-riscv/vmlinux

$ make

成功すると build ディレクトリの下に bbl という名前のファイルができます。これがブートローダ+カーネルのバイナリです。bbl は Berkeley Boot Loader の略です。

このリポジトリの名前 pk は Proxy Kernel の略で、RISC-V のプロセッサ開発を行う際に、周辺のハードウェアを作り込む代わりに、ホストのシステムコールを呼び便利な実行環境を提供するためのソフトウェアのようです。

プロキシカーネルに用事はないんですけど、付属品のブートローダに用事があります。

この riscv-pk はビルドシステムがちょっとイマイチで、build ディレクトリを作らずに configure や make をすると、ソースコードの入っている pk ディレクトリが吹っ飛びます。ご注意ください……。

ルートファイルシステム

以前は buildroot を使って全自動で initramfs を生成してもらいましたが、今回は趣向を変えまして、手動で initramfs を作ります。

busybox コード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone https://git.busybox.net/busybox

$ cd busybox
$ export CROSS_COMPILE=riscv64-unknown-linux-gnu-

$ make menuconfig

- Settings  --->
  [ ] Build static binary (no shared libs) (NEW)

$ make

ビルドに成功すると busybox という実行ファイルが生成されるはずです。

次に initramfs を作成します。基本的な流れはディレクトリに必要なファイルを配置し、cpio で固めるだけです。

initramfs 作成
$ mkdir initramfs-work-riscv
$ mkdir initramfs-work-riscv/root
$ cd initramfs-work-riscv/root

$ mkdir bin
$ cp ../../busybox/busybox bin/
$ ln -s busybox bin/sh
$ ln -s bin/busybox init

$ mkdir dev
$ sudo cp -a /dev/tty* dev/

$ find . | cpio --format=newc -o > ../initramfs.cpio

本来は init, sh 以外のシンボリックリンクも作った方が良いです。このあと、qemu で動かしてみたらわかりますが、すごく不便です。/dev/tty も横着してホストマシンのデバイスファイルをコピーするのではなく、mkdev で作るべきです。

が、しかし、美しい initramfs は次回トライする buildroot にお任せしましょう。今回は適当なまま行きます。

実行

実行する設定は AArch64 とは違います。qemu の引数は多すぎるし難しすぎるので、全く覚えられません。私の場合は、動かすたびにわからなくなるので、調べることが多いです。

qemu 実行
$ qemu-system-riscv64 -machine virt -kernel riscv-pk/build/bbl -initrd initramfs-work-riscv/initramfs.cpio -serial stdio

    
bbl loader
              vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
                  vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrr       vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrrrrr      vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrrrrrrr    vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrrrrrrr    vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrrrrrrr    vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrrrrr      vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rrrrrrrrrrrrr       vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rr                vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
rr            vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv      rr
rrrr      vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv      rrrr
rrrrrr      vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv      rrrrrr
rrrrrrrr      vvvvvvvvvvvvvvvvvv      rrrrrrrr
rrrrrrrrrr      vvvvvvvvvvvvvv      rrrrrrrrrr
rrrrrrrrrrrr      vvvvvvvvvv      rrrrrrrrrrrr
rrrrrrrrrrrrrr      vvvvvv      rrrrrrrrrrrrrr
rrrrrrrrrrrrrrrr      vv      rrrrrrrrrrrrrrrr
rrrrrrrrrrrrrrrrrr          rrrrrrrrrrrrrrrrrr
rrrrrrrrrrrrrrrrrrrr      rrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr  rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr

       INSTRUCTION SETS WANT TO BE FREE
[    0.000000] OF: fdt: Ignoring memory range 0x80000000 - 0x80200000
[    0.000000] No DTB passed to the kernel
[    0.000000] Linux version 5.0.0-rc7-next-20190225 (katsuhiro@blackbird) (gcc version 8.2.0 (crosstool-NG 1.23.0.610-db4fdf0)) #2 SMP Tue Feb 26 19:07:38 JST 2019
[    0.000000] Initial ramdisk at: 0x(____ptrval____) (1691648 bytes)
[    0.000000] Zone ranges:
[    0.000000]   DMA32    [mem 0x0000000080200000-0x0000000087ffffff]
[    0.000000]   Normal   empty
[    0.000000] Movable zone start for each node
...

[    0.346331] sit: IPv6, IPv4 and MPLS over IPv4 tunneling driver
[    0.348500] NET: Registered protocol family 17
[    0.349051] Key type dns_resolver registered
[    0.370752] Freeing unused kernel memory: 192K
[    0.370952] This architecture does not have kernel memory protection.
[    0.371164] Run /init as init process
can't run '/etc/init.d/rcS': No such file or directory

Please press Enter to activate this console.
/ # ls
-/bin/sh: ls: not found
/ # busybox uname -a
Linux (none) 5.0.0-rc7-next-20190225 #2 SMP Tue Feb 26 19:07:38 JST 2019 riscv64 GNU/Linux

無事 Linux の起動画面を拝めました。良かった良かった。

[編集者: すずき]
[更新: 2019年 2月 27日 01:32]
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RockPro64 の HDMI Audio

RK3399 の Drive Strength 設定を Max にしたことで、文字化けだらけでポンコツ状態だった RockPro64 のシリアルが割とまともになったので、最近は RockPro64 を触っています。

どうも linux-next の RockPro64 のデバイスツリーは HDMI Audio を有効にするのを忘れている?ようで、HDMI から音が出ません。有効にするパッチを LMKL に投げつけておきました……といっても、たった 3行のパッチです。

動かしたら一瞬で気づくはずですが、誰も直さなかったのかなあ?

Rock64 も RockPro64 も割と有名な部類のボードですが、Rockchip Linux じゃなくて、わざわざ linux-next で動かす人は少ないかもしれませんね。

メモ: 技術系の話は Facebook から転記しておくことにした。

[編集者: すずき]
[更新: 2019年 2月 21日 00:33]
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RISC-V のコンパイラ

Crosstool-NG は RISC-V に対応していないのかと思っていたら、Experimental オプション(CT_EXPERIMENTAL)を Y に設定したら RISC-V が選べるみたいです。

GCC のビルドは ARM 向けに昔チャレンジしましたが、結構面倒くさいので、コンパイラを含むツールチェーンを簡単にビルドできる Crosstool-NG の存在は非常にありがたいです。あとは LLVM にも対応してくれたら最高なんですけどね。

Experimental というだけあって RISC-V 32bit 用のコンパイラはビルドエラーになってしまって作成できません。RISC-V 64bit 用のコンパイラは作成できます。

作成したコンパイラで適当なコードをビルドして逆アセンブルを見ると、命令長が 32bit のものと、16bit のものが混在していました。そういえば ARM も ARM 命令と Thumb 命令の 2種類の命令長があります。最近は RISC でも命令長可変の仕様が流行りなんでしょうか?

メモ: 技術系の話は Facebook から転記しておくことにした。少し加筆。

[編集者: すずき]
[更新: 2019年 2月 21日 00:46]
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